4月15日公開の映画「ハロウィンの花嫁」の評価やレビュー、実際に観に行った筆者の感想もつづりたいと思う。
ハロウィンの花嫁の評価
現在の評価は4.2。シリーズとしては、2000年公開「瞳の中の暗殺者」、2002年公開「ベイカー街の亡霊」、2005年公開「天国へのカウントダウン」の4.3に次ぎ、1999年公開「世紀末の魔術師」、2003年公開「迷宮の十字路」と並ぶ評価を獲得した。
ハロウィンの花嫁のレビュー
良かった点としては
・サウンドは今まで以上に重低音で緊迫感があり、程よい緩急で全く飽きなかった
・警察学校組との絡ませ方も無理なく、今回の犯人逮捕のきっかけが本当にあの5人でなければならない必要性が感じられたのが良かった
・近年のコナン映画特有の、ある一定層に向けた露骨な演出(安室の首輪、玉座につく姿など)と本編とのバランスが絶妙
・「キミがいれば」が久しぶりに聞けて感動した
・松田の回想はコナン映画らしくない部分だったが、初見にも松田や安室の有能さが伝わってくるし、説明過多な描写もなかった
・今作はキャラクターの動かし方が全体的に上手かった
・今と昔のコナン映画のいいとこどりが絶妙
・ゲスト声優の演技が良かった
・推理色を全面に押し出したコナン映画では最高傑作と言っても過言ではない出来
→映画全体の雰囲気は新蘭要素が高佐に変わった「瞳の中の暗殺者」といった感じ・コナンが圧倒的主人公だった
・ハロウィンの日を選んだ伏線回収がお見事
など。
悪かった点としては
・新蘭が少なかった
・警察学校組と高佐どちらも描写が足りずやや不完全燃焼ぎみ
・OPが「瞳の中の暗殺者」を上回るダサさ
・登場キャラが多すぎて散漫、どの層に向けて作られていたのか若干疑問だった
・プラーミャとエレニカとの関係が深堀不足
→弾丸を受けて爆弾を作れなくなったという設定も雑・ハロウィンの花嫁は佐藤ではなく犯人のことでタイトル詐欺すぎる
・原作をあまり知らない方には魅力が半減してしまう
・最近の映画は大人向け要素が強かったが、今作は子供向けとなって残念
・アクションに魅力がない
・犯人がとても分かりやすかった
・やりたいことが多すぎていまいち盛り上がりに欠けた
などが挙げられている。
筆者の感想
ハロウィンの花嫁は、2003年1月に2時間スペシャルとして放送された「揺れる警視庁 1200万人の人質」の続編となっている。ハロウィンの花嫁には、揺れる警視庁の劇中シーンがいくつかあり、本作を見ておくと分かる部分がある。松田のガラケーがスマホに改変されたのは、揺れる警視庁を観ていないと分からないだろう。
挿入歌「キミがいれば」は2006年公開の「探偵たちの鎮魂歌」以来16年ぶりに使われたうえ、ハロウィンの花嫁バージョンにアレンジされたのも嬉しい。
爆弾は赤と青の液体が混ざると爆発するが、これは1997年公開の「時計仕掛けの摩天楼」の赤い線と青い線、揺れる警視庁の「水銀レバー」をミックスしたような仕掛けとなっている。
このように、初期コナンの要素がいくつかあり、昔からコナンを観ている人はかなり楽しめたのではないかと思う。ハロウィンの花嫁はコナン映画25周年作品であり、原点回帰もあるのかもしれない。
最近のコナン映画は安室、キッド、赤井で女を釣って儲けるイメージが強かった。安室メインの「ゼロの執行人」(2018年)が興行収入91億円を記録したのを皮切りに、人気キャラのゴリ押しが加速したように思える。結果、コナンよりも目立ってしまった。
この3人は、2021年に行われたコナン初の公式人気投票「緋色の総選挙」でコナンよりも順位が上だった。
3人を回したほうが儲かると判断され、今年は安室で儲けにきたのかと思っていたが、ハロウィンの花嫁は久しぶりにコナンが主人公をしていた。
公安と警察学校組も出ているが、捜査一課のほうが出番は多く、コナンと捜査一課という昔からいるキャラが活躍するのは古参ファンには嬉しかったのではないか。もちろん、安室や少年探偵団もクライマックスで活躍する。
筆者は昔からコナンを観ており、ハロウィンの花嫁はかなり楽しめた。やっぱりコナンが活躍してこそだと思う。