1月28日に発売したレジェンズアルセウス。2月3日で早いもので一週間を迎え、すでにアルセウスを倒して全クリした人もボチボチ出ている。
筆者もやっと全クリしたが、すべてを終えたの感想をつづりたいと思う。
※当サイトでは今更であるが、ネタバレ多めです。あらかじめご了承ください。
アルセウスを倒すまでに60時間かかる
筆者はアルセウスを倒すまでに60時間かかった。ラスボスを倒すまでに30時間で、それから図鑑完成までにさらに30時間を要した。アルセウスと出会うには、すべてのポケモンをゲットする必要があり、低確率だったり時空の歪み限定だったり、なかなか出会えないポケモンもたくさんいたため、これだけ時間がかかった。
フラゲ勢も60時間かかったと語っており、半信半疑だったが、これはガチだった。早い人は40時間くらいでクリアしているようで、少なくとも40時間以上遊べる。完全クリアに40時間以上かかるということで、やはりドラクエやFFと肩を並べる世界三大RPGに恥じないできだったといえよう。
全クリした感想
結論から言えば、「良作だが、あと一歩およばない」が率直な感想だ。発売前のメタスコアは86だったが、筆者が点数をつけるなら90点くらいだ。
対象年齢高めの重厚なストーリー
ポケモンに襲われるゆえに恐怖する人間、そして死と隣あわせの世界観。それもあり、いつもより対象年齢は高めな印象だ。
現代人がアルセウスによって大昔に転移または召喚され、見知らぬ土地に戸惑いながらも、その地ではじめてのポケモン図鑑完成を目指すのが大まかなストーリーとなっている。
ポケモン図鑑は過去のシリーズでもあったが、すべてのポケモンをゲットしないと完全クリアできないのは面白かった。これまではポケモン図鑑を完成させてなくても全クリできるため、ほとんどの人はポケモン図鑑を完成させることなくやめてしまうだろう。これが必須となったのは大変ではあるが、同時に達成感も大きかった。
ムラ特有の“よそ者嫌い”も強く、最初こそ煙たがれていたが、依頼をこなして信頼を勝ち取っていく。しかし、デンボクの言いがかりでムラを追放され、これまでに積み上げた信用が崩れそうになるなど、一筋縄ではいかない展開もみられた。
キャラだけでなく、伝説のポケモンもそれぞれ見せ場があったのは良かった。ユクシー、エムリット、アグノムは設定を生かした試練があり、ラスボスのディアパル、裏ボスのギラティナ、そして最後はアルセウスという流れも自然だった。
BGMはダイパのものをアレンジしたものが多く、どれもクオリティが高かった。
モンハンみたいなアクション強めのテイスト
コトブキムラという拠点からいろんなマップに出向き、道具を投げたり、拾ったアイテムをクラフトしたり、それはまるでモンハンのよう。今作のポケモン図鑑は研究レベルを10にすることで完成し、その多くは1匹ゲットしただけでは完成しない。研究レベルの概念や同じポケモンと何度も出会わないといけないといったところもモンハンっぽい。
これまでのポケモンは、ポケモンをゲットするにもいちいちバトルする必要がありテンポが悪かった。今作はバトルすることなくゲットでき、大量ゲットも可能だ。
ボス戦はシズメダマを投げてバーを削り、相手の攻撃はローリングなどで避けるといったアクション強めの仕上がりだ。
3番目のヒスイウインディから一気に難易度が上がり、やり応えたがあった。アルセウスは最後のボスにふさわしい強さだった。削ったゲージを引き継ぐことができ、アクション苦手な人への配慮もされている。
もちろん、いつものポケモンバトルもあり、レジェンズアルセウスはレベルの高い野生ポケモンが多く、パーティの入れ替えが容易に行える。
ポケモンバトルはストーリーで戦うものを除き、全滅しても大丈夫だが、主人公が死亡するとゲームオーバーとなり、崖から落ちるなどポケモン関係なく死ぬのも珍しくない。死ぬと持っている道具をロストし、貴重なものを失うこともあって気の抜けない冒険となる。
本編にも実装すべきシステム
システム周りに関して、進化は条件を満たすと手動で出来るように。通信交換でしか進化できないポケモンが、道具だけでも進化できるようになったのは大きい。覚えた技もいつでも自由に入れ替えることができる。
色違いはかなり出やすく、筆者は60時間のプレイで4匹出てきた。うち2匹はフワンテの色違いという、これまでのシリーズではない展開だ。
個体値と努力値は廃止され、努力値の変わりに「ガンバレベル」が搭載された。今作は対戦はないが、このほうが育成の敷居が下がり、対戦人口も増えるだろうから、本編でも実装されてほしい。
残念だった点
一方、システム周りには残念なところもあり、それが足を引っ張っている。
・Switchシリーズ恒例のZL・ZR=Aボタン廃止
・ミニマップがない
・木を揺らしたり、鉱石を壊すのにいちいちポケモンを出さないといけない
・ライド中にポケモンを出したり、道具を投げられない
・時空の歪みがテンポ悪すぎ
ボス戦はシズメダマを投げたり、相手の攻撃をかわしたり、ポケモンを出して戦わせるくらいしかなく、もっとできることがあってもよかったかもしれない。ただ、選択肢が少ないこそわかりやすく、そして難しかったともいえる。
ギンガ団本部のポーチ拡張おじさんは最大37回拡張でき、最後は100万円が発生する。拡張を37回もする意味がどこにあったのか。拡張なんて数回で最大でいいのに、この辺はゲーフリのいやらしさが出ている。
ゲームが勝手に落ちる不具合は2回ほどあった。バグも見つかっており、ダイパリメイクみたくユーザーに有利になるバグではないため害悪でしかない。
こういったところが改善されれば、もっと良くなるだろう。
8世代は完全新作の剣盾、ダイパのリメイク、そしてRPG強めでアクションも取り入れたレジェンズアルセウスの3つで展開された。完全新作は育成・対戦メイン、リメイクで懐古を呼び戻し、ポケモンにRPGを求める人はレジェンズアルセウスみたいなものを出していけば、うまくすみわけできるのではないか。

