ポケモン竜王戦2020の全日程が終了した。ゲーム部門・準決勝では選手の降参や初手急所で荒れたが、決勝戦は荒れることなく平和に終わった。優勝したのは18歳のわとり選手で、決め手はサンダーのライジングボルトだった。
これを受け、ツイッターでは「ライジングボルト」がトレンド入りしている。
ポケモン竜王戦2020、ゲーム部門・決勝戦解説
ゲーム部門・決勝戦は、わとり選手とコケホドリ選手。両選手ともWCSや竜王戦などで実績があるダブル勢で、まさかのダブル勢同士の決勝戦となった。
わとり選手はザシアン入りのスタンパ。ラグラージでステロを撒き、ラッキーで受け回しながら他4体で殴る構築だと思われる。コケホドリ選手もザシアン入りのスタンパとなっている。
初手はわとり選手はサンダー、コケホドリ選手はエースバーン。わとり選手の方が有利な対面だが、エースバーンの交代を読んだのかラグラージに引っ込める。一方、コケホドリ選手はエースバーンで「かえんボール」を選択した。
2ターン目、コケホドリ選手はエースバーンを居座らせ「とびひざげり」を選択。この瞬間、ラグラージのオボンのみが発動する。わとり選手はラグラージでステルスロックを選択した。
エースバーンは、サンダーにもラグラージにも引かないということで「きあいのタスキ」確定だと思われる。
3ターン目、コケホドリ選手はエースバーンで再び「とびひざげり」。ラグラージは「あくび」かと思われたが、クイックターンを選択し、後続のザシアンを繰り出した。
クイックターンはカイリューのラムのみを警戒したのか、タスキを潰したかったのか。ザシアンを出したので後者と思われるが、タスキエースバーンだとしたらカウンターを持っていた可能性があり、もしカウンターを撃たれていたとしたら…と考えると、なかなかのチャレンジャーである。
4ターン目、コケホドリ選手はエースバーンで「ふいうち」。わとり選手はザシアンで「きょじゅうざん」を選択。エースバーンは倒れる。
エースバーンの「ふいうち」だが、もしザシアンが「みがわり」や「つるぎのまい」を持っていて、ここで撃たれた場合、かなり辛い試合になっていたと思われる。みがわりはかえんボール外しを期待して撃つ人はいるが、つるぎのまいは当たったら死ぬのでよほどなチャレンジャーでもない限り、ここで撃つ人は少なそうだが…。
5ターン目、コケホドリ選手のザシアンが先制し、相手のザシアンを一撃で倒す。前のターンで「ふいうち」を選択したのは込みで倒すためだったのだろうか。
しかし、前のターンで「みがわり」や「つるぎのまい」の起点にされたり、そもそも先手を取れるかどうかなのでリスクの高い行動だったと思われる。
6ターン目、わとり選手は繰り出したサンダーをダイマックスさせる。しかし、コケホドリ選手はザシアンを引かずに「きょじゅうざん」で半分以上削る。サンダーは上からの「みがわり」でダイマックスを枯らされたり、次のターンは先制を取るためか、半減だが「ダイジェット」を選択した。
7ターン目、コケホドリ選手はザシアンで「でんこうせっか」。ザシアンはサンダーの「せいでんき」で麻痺となるが、サンダーのダイサンダーで倒される。
8ターン目、コケホドリ選手はラプラスをダイマックスさせ「ダイウォール」で攻撃を防ぐとともに、サンダーのダイマックスを終了させる。
9ターン目、わとり選手はサンダーでなんと「ライジングボルト」を選択。ダイマックスしたラプラスだが、一撃で倒されてしまう。
ラプラスはステロでHPが削られたものの、ダイマックスでHPが312まで上昇しており、いくら珠サンダーでも“10まんボルトは”耐えると思われた。しかし、エレキフィールドで威力140となったライジングボルトはさすがに耐えられない。7ターン目でダイサンダーを選択したのは、これが狙いだったようだ。
サンダーのライジングボルトはトップ10入りしていない
ポケモン剣盾のランクマデータをまとめている「ポケモンバトルデータベース」によると、シーズン18・シングルのサンダーの技使用率にライジングボルトは入っていない。禁伝環境だったシリーズ8(シーズン15~17)でもだ。
今回の試合だが、もしサンダーがライジングボルトではなく10まんボルトだった場合、急所や麻痺を狙うしか勝ち筋がないので、ライジングボルトが勝利を導いたと言っても過言ではない。
これを受け、ツイッターでは「ライジングボルト」がトレンド入り。
検索結果には「ハイレベルな戦い。ライジングボルトっていうひとつの工夫が実際に活きるところが素晴らしいね」「珠サンダーが持つべきはライジングボルト」「最後のライジングボルトに痺れたね」といった声が寄せられている。
▼早速、ランクマで採用する人がいる模様
ランクマ潜ったらさっそく珠ライジングボルト撃たれたw pic.twitter.com/iWvq7CNsDw
— はづき (@pa2P3jHHHFBbpZY) May 29, 2021