ポケモンSVに登場するテラスタル。剣盾のダイマックスに変わるバトルシステムということで、SVの対戦環境の中心となるのは確実だ。
そんなテラスタルだが、どのポケモンでしたら強いのか。未公開ポケモンを含めた全内定リストがリークされているが、今回は公式情報で判明しているものに絞って5体上げたい。
サザンドラ
タイプ:あく・ドラゴン
フェアリー4倍
むし2倍
ドラゴン2倍
こおり2倍
かくとう2倍
ほのお0.5倍
ゴースト0.5倍
あく0.5倍
でんき0.5倍
くさ0.5倍
みず0.5倍
エスパー無効種族値:HP92-攻撃105-特攻125-特防90-素早さ98(合計600)
特性:ふゆう
あく・ドラゴンの600族。あくタイプは2タイプに弱点をつけ、3タイプが半減ということで、15タイプに等倍以上を取れる。ドラゴンタイプは1タイプに弱点をつけ、2タイプの抵抗があるということで、16タイプが等倍以上で、いずれも攻撃面に優れたタイプと言える。
種族値は特攻が125、素早さが98、防御面もすべて90を超えており、攻守ともバランスの取れたアタッカーだが、フェアリー4倍という致命的すぎる弱点がある。じめん弱点ではないため、特性「ふゆう」がかみ合っていないのも微妙なところだ。
過去の環境ではボーマンダ、ラティオス、ガブリアス、アーゴヨンなどサザンドラより素早さの高いドラゴンタイプが多かったため活躍が難しく、筆者の知る限り、600族で唯一、シングルでもダブルでも使用率トップ30入りしたことはなかったと思う。
同じく600族で不遇と言われているヌメルゴンやジャラランガですら、ダブルで使用率トップ30に入ったことがあるのに、サザンドラはタイプや特性、環境に恵まれなくてずっと不遇扱いされていた。
そんなサザンドラだが、テラスタルでついに報われる時が来た。フェアリー4倍はテラスタルでフェアリーに強いどく、はがね、ほのおなどに変えてしまえば、逆にフェアリーをカモにできる。どくタイプは5タイプ、ほのおタイプは6タイプ、はがねタイプは11タイプを半減でき、いずれも防御面に優れる。
これらはいずれもじめん技が弱点であり、ふゆうの実用性が上がる。
優れた攻撃面を持ちながら、タイプの組み合わせや特性とのミスマッチが足を引っ張っていたサザンドラ。現在判明している過去作ポケモンの中では一番テラスタルが期待され、環境入りはほぼ確実だと思われる。
カイリュー
タイプ:ドラゴン・ひこう
こおり4倍
いわ2倍
フェアリー2倍
ドラゴン2倍
ほのお0.5倍
むし0.5倍
みず0.5倍
かくとう0.5倍
くさ0.25倍
じめん無効種族値:HP91-攻撃134-防御95-特攻100-特防100-素早さ80(合計600)
特性:せいしんりょく、マルチスケイル
ドラゴン・ひこうの600族。ひこうタイプは3タイプの弱点をつけ、3タイプが半減ということで、15タイプに等倍以上を取れる。
種族値は攻撃が135、防御面はすべて90以上、素早さも80と平均以上だ。攻守ともバランスの取れたアタッカーで、こおり技が4倍だが、夢特性「マルチスケイル」により、実質2倍弱点となる。
今のままでも、禁止伝説がいないシングル環境の使用率トップ30に入るくらいには強いが、テラスタルでこおり4倍がなくなることでさらに強くなる。例えるなら“火力の高いルギア”だろう。
同じくマルチスケイルを持つルギアはエスパー・ひこうと4倍弱点がなく、その代わり攻撃も特攻も100に満たない。攻撃面が抑えられているこそ許されている2倍弱点しかないマルチスケイルだが、これがカイリューに与えられてしまう。
また、カイリューは「はねやすめ」を覚え、ルギアのように積み技を積みつつはねやすめで回復するという立ち回りも可能となる。そうなれば、ルギア以上に対策必須となるだろう。
2倍弱点程度ならマルチスケイルで余裕なため、テラスタルはドラゴンにしてドラゴン技の威力を高めるのが強いと思う。
ボーマンダ
タイプ:ドラゴン・ひこう
こおり4倍
いわ2倍
フェアリー2倍
ドラゴン2倍
ほのお0.5倍
むし0.5倍
みず0.5倍
かくとう0.5倍
くさ0.25倍
じめん無効種族値:HP95-攻撃135-防御80-特攻110-特防80-素早さ100(合計600)
特性:いかく、じしんかじょう
ドラゴン・ひこうの600族。
種族値は攻撃が135、防御面はすべて80を超え平均以上、素早さも100ある。また、ダブルで必須級の特性「いかく」を持っているのも強みだ。
同じタイプの組み合わせを持つカイリューは物理型での運用が主となり、カイリューより特攻が10高いため、やはり特殊型での運用が多くなるか。
カイリューと異なり、マルチスケイルはないため、テラスタルは4倍弱点のこおりに強く、ドラゴンが苦手なフェアリーにも強いほのおかはがね辺りが強いと思う。
ギャラドス
タイプ:みず・ひこう
でんき4倍
いわ2倍
ほのお0.5倍
はがね0.5倍
むし0.5倍
みず0.5倍
かくとう0.5倍
じめん無効種族値:HP95-攻撃125-防御79-特攻60-特防100-素早さ81(合計540)
特性:いかく、じしんかじょう
みずタイプは3タイプに弱点をつけ、3タイプの抵抗ということで、15タイプに等倍以上を取れる。
種族値は攻撃が125、防御面は平均以上で、素早さも81と80族を1だけ抜いている絶妙な調整。また、ダブルで必須級の特性「いかく」を持っているのも強みだ。
過去の環境では主にシングルでよく使われていたが、ギャラドスを長年悩ませるのがでんき4倍だ。でんき技はサブウエポンとしても持たせやすく、不意の10まんボルトとかで何回イチコロになったことやら…。
そんなギャラドスだが、テラスタルでじめんタイプになれば、憎きでんきタイプを返り討ちにできる。ギャラドスはじめん技のじしんも覚え、これをタイプ一致で打てるのもいい。
ギャラドスはみずタイプに有効な物理技に乏しく、でんき技を半減しつつ、みずタイプの弱点をつけるでんきやくさも悪くないと思う。
カジリガメ
タイプ:みず・いわ
くさ4倍
じめん2倍
でんき2倍
かくとう2倍
どく0.5倍
ひこう0.5倍
こおり0.5倍
ノーマル0.5倍
ほのお0.25倍種族値:HP90-攻撃115-防御90-特攻48-特防68-素早さ74(合計485)
特性:がんじょうあご、シェルアーマー、すいすい
いわタイプは4タイプに弱点をつけ、3タイプが半減ということで、15タイプに等倍以上を取れる。
種族値は攻撃が115、防御面は特防がやや低く、素早さも74と物足りない。しかし、特性「すいすい」で素早さの問題はクリアできる。
SVでは、特性「あめふらし」を持つペリッパーがすでに内定しており、雨パを作ることは可能だ。
テラスタルはみずにし、みず技の火力を一気に上げる。テラスタルは元のタイプとテラスタイプと技のタイプが一致した場合、技の威力が1.5倍からさらにアップし、雨による1.5倍と合わせてかなりの火力になるはずだ。
もしかすると、カイオーガに匹敵する火力になるかもしれない。禁止伝説なしでカイオーガクラスの火力が出せ、しかもすいすいで多くのポケモンに上を取れれば、非常に高い制圧力を発揮できる。
また、タイプがみずだけになることで、くさが4倍弱点ではなくなり、弱点も4つから2つに減るのもいい。
この5匹以外だと、バンギラスも強いと言われているが、バンギラスはいわタイプ以外にテラスタルした場合、いわタイプがなくなったことで砂による特防1.5倍アップがなくなってしまう可能性があり、バンギラスの強みを一つ消してしまうということで、いわ以外の選択肢はないと思う。
しかし、それだとかくとうやじめんなど、いわ・あくでもつらかった相手に勝つのは難しく、テラスタルしても大して変わらないという感じになると思う。SV環境は、5タイプに弱点をつけるかくとうとじめんが多くなるとみられ、そうなればこれらに弱点をつかれるバンギラスは動きづらく、むしろ使用率が激減する可能性も懸念される。
いわ、じめん、はがねのいずれでもない場合、自分の撒いた砂でダメージを受けてしまう可能性も。これは特性「ゆきふらし」で霰を降らすユキノオーにも同じことが言えるが、そもそもユキノオーは全体的に数字が足りておらず、テラスタルするのはもったいないという懸念もある。
テラスタルにより、マイナーポケモンが救われると思っている人もいるようだが、結局、テラスタルも強いポケモンがさらに強くなるだけで、マイナーの救済はないと思う。全てのポケモンがテラスタルでき、一度のバトルで一回しか使えないのなら、強いポケモンで切ればいいわけで、わざわざ弱いポケモンで切る意味はないからだ。