ポケモンSVのDLC「ゼロの秘宝」前編「碧の仮面」に登場したイイネイヌ、マシマシラ、キチキギス。この3体はともっこと呼ばれ、オーガポンからキタカミの里を救った英雄として崇められていたが、実際はともっこが悪だったことがストーリーで明かされた。
オーガポンは合計種族値550にして禁伝級の強さを持っている一方、ともっこは微妙すぎる性能だった。
ともっこ(イイネイヌ・マシマシラ・キチキギス)はもう少し強くてもよかった
■イイネイヌ
タイプ:どく・かくとう
種族値:HP88-攻撃128-防御115-特攻58-特防86-素早さ80(合計555)
特性:
どくのくさり:技を当てた相手を猛毒状態にすることがある
ばんけん:相手のいかくを受けず、攻撃が1段階上がる■マシマシラ
タイプ:どく・エスパー
種族値:HP88-攻撃75-防御66-特攻130-特防90-素早さ106(合計555)
特性:
どくのくさり
おみとおし■キチキギス
タイプ:どく・フェアリー
種族値:HP88-攻撃91-防御82-特攻70-特防125-素早さ99(合計555)
特性:
どくのくさり
テクニシャン
イイネイヌについて
イイネイヌは攻撃が128と一番高く、防御も115と高め。特防は86あり、HPも88あって、耐久力がある物理アタッカーという性能だ。素早さも80あり、調整のし甲斐がある。
ばんけんはいかくメタとして強く、ダブルバトルでは使い道はないがふきとばしやほえる、ドラゴンテール、レッドカードなど相手を交代させる効果を受けない。
基本的にはばんけんで使っていくが、その一方で攻撃種族値128を生かせる高威力のタイプ一致技がほぼ皆無だ。
どく技は威力120のダストシュート、かくとう技は威力120のインファイトがそれぞれの最高威力だが、ダストシュートは命中80しかなく、試合数が多くなるランクマで採用するのは厳しい。少なくとも、筆者は絶対に採用したくない。
インファイトは攻撃後に防御と特防が1段階ずつ下がり、耐久が高いイイネイヌとは相性が悪い。
そのため、どく技は威力80のどくづき、かくとう技は威力75のドレインパンチが安定だが、威力不足感がいがめない。
ばんけんのトリガーとなるいかく持ちと言えば、霊獣ランドロスやヒスイウインディ、ギャラドスがよく使われているが、霊獣ランドロスとギャラドスはひこうタイプを持っており、ひこうテラスからテラバーストされれば弱点つかれてしまう。特に霊獣ランドロスはじめんタイプも持っており、じめん技でも弱点をつかれる。
ばんけんでいかくをメタったところで、ひこう技で返り討ちにあうのが現実だ。
また、ばんけんはいかくしか無効化できず、言ってしまえば「まけんき」の劣化である。まけんきはいかくのみならず、相手に能力を下げられると攻撃が2段階上がる。
シングルであれば、相手を交代させる効果を受けないところも生かせるが、ダブルだと相手を交代させる効果を持った技や道具がほぼ使われず、後半の効果は実質ないようなものだ。
かくとうタイプとしては、ウーラオスのほうが専用技が確定急所なため、いかくや壁が無意味となり、さらにふかしのこぶしによりまもるやみきり、オーガポンが持っているニードルガードなどの守りを受けず、攻めは強い。
テツノカイナも、高い攻撃に超耐久を持ち合わせ、その一方で素早さは低いが、ねこだましという先制技で妨害もできる。
コノヨザルも、かくとうとゴーストの優秀すぎる複合タイプに加え、まずまずの攻撃と高い耐久を持ち合わせ、攻撃を受けることで威力が50上がるふんどのこぶしが強力だ。
ビルドアップを覚えさせたビルドレイン型も強力だが、高いHPを生かし、こだわりスカーフを持たせて先制いのちがけで相手1体を道連れにしたり、味方のグレンアルマやイッカネズミとのギミックも強力だったり、さまざまな運用ができる。
使用率トップ30圏外だが、オオニューラは全く同じ複合タイプを持っている。高い攻撃と素早さを持つ一方、耐久種族値は低く、素早さの高い物理アタッカーとなっている。
高い素早さはかるわざでさらに2倍にでき、専用技「フェイタルクロー」はどくづきと同じ威力80でありながら、50%の確率で相手をどく・まひ・ねむりのいずれかにするという強力な追加効果を持つ。
低耐久なため、インファイトは躊躇なく採用でき、かるわざ発動型ならアクロバットが2倍の威力110となり、イイネイヌより火力が高い。ねこだましやフェイントといった妨害技も豊富だ。
マシマシラについて
マシマシラは特攻が130と一番高く、素早さも106と高め。特防は90あり、HPも88あって特殊耐久はそこそこだが、防御は66しかなく、素早さが高い特殊アタッカーという性能だ。
ねこだましや高い素早さから先制とんぼがえりなどして、どくのくさりが生かせそうである。おみとおしも相手の道具をチェックできて使える特性だ。
一方、ハバタクカミにはゴースト技で弱点つかれ、さらに素早さでも負けており、パオジアンにもあく技で弱点つかれ、素早さでも負けているなど、環境トップメタのポケモンたちに弱いのが難点。
ほかにも、サーフゴーには素早さで勝っているが、ゴースト技で弱点つかれるうえ、どくとエスパーの両ウエポンが半減される。イーユイも素早さこそ勝っているが、あく技で弱点をつかれてしまう。ディンルーにも弱く、チオンジェン以外の四災が苦手だ。
そのため、ランクマでの活躍は難しそうだ。
キチキギスについて
キチキギスは特防が125と一番高く、素早さも99と中々。HPは88あり、防御も82あって、特殊耐久寄りのサポートポケモンとして運用することとなりそうだ。
スイープビンタやふくろだたき、ダブルウイングなど連続攻撃技を多数覚え、さらにとんぼがえりを覚えることから、3匹の中で一番どくのくさりを生かせる。これらの技はテクニシャンの対象にもなる。
ただ、キチキギスはこれと言った強みがなく、器用貧乏になりがちだ。持前の特殊耐久も、HPは88程度で、超耐久というわけではない。攻撃も低く、テクニシャンを生かすことは難しいだろう。
ランクマを潜った限り、イイネイヌしか見ないが、イイネイヌも多いわけではない。オーガポンに性能を吸われてしまったのか、ともっこももう少し強くしても良かったのではないか。
ただワンチャン、どくのくさりで弱体化している説があり、藍の円盤でどくのくさりが取れた真の姿が解禁されるかもしれない。これが全力とは思えず、さらなる強化に期待したい。