映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影」は4月14日の公開からわずか24日間で興行収入100億円を突破した。
黒鉄の魚影はコナン映画第26作目にあたり、26年間で初の興収100億円となった。
過去作にはあと一歩及ばずのものも多かったが、本作の100億円突破の秘訣は何だったのか。
黒鉄の魚影、興収100億円突破の秘訣は灰原のおかげ説
◤㊗初の興行収入100億円突破 &
シリーズNO.1特大ヒット🎉◢劇場版『#名探偵コナン #黒鉄の魚影(サブマリン)』
公開から24日間で…
📝観客動員:7,280,136人
📝興行収入:10,304,483,700円を記録!🎊
特大ヒットを祝して、#青山剛昌 先生の
描き下ろしイラストも到着✨御礼申し上げます。 pic.twitter.com/oIQSZ2rNIM
— 劇場版名探偵コナン【公式】 (@conan_movie) May 8, 2023
黒鉄の魚影の興収100億円突破の秘訣はズバリ、灰原のおかげだろう。
灰原は1999年公開の第3作「世紀末の魔術師」以降皆勤賞だが、初めてキーパーソンを務めたのは2001年公開の第5作「天国へのカウントダウン」で、以来22年ぶりのキーパーソンとなった。
天国へのカウントダウンは、1996年1月よりスタートしたアニメから5年目の映画であり、灰原は1999年1月4日放送の129話「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」で初登場してからまだ2年ということもあって、灰原人気はまだまだだった。
そもそも、当時の映画は今のようにキャラ人気を全面に出した内容ではなく、特に天国へのカウントダウンは歴代コナン映画の5本指には確実に来るが、商業的には興収29億円だった。
近年はキャラ映画となり、興収も右肩上がりに。そんな中、“人気キャラとなった”灰原をキーパーソンとしたことで、興収100億円を突破したのだと思われる。
灰原は2021年公開の第24作「緋色の弾丸」を記念して行われた、公式キャラクター人気投票「緋色の総選挙」で3位だった。赤井と安室には負けたが、主人公のコナンよりも人気で、女性キャラではメインヒロインの蘭をも抑えている。
翌2022年公開の第25作「ハロウィンの花嫁」を記念して行われた、「主要女性キャラクター人気投票」(当初は「理想の花嫁」という企画だったが、フェミが騒いだことで企画変更に)では、本作キーパーソンの佐藤刑事を抑えて1位に輝いた。
なお、赤井と安室が登場したのは
2014年公開の第18作「異次元の狙撃手」(興収41億円)※赤井がキーパーソン
2016年公開の第20作「純黒の悪夢」(興収63億円)※赤井&安室登場
2018年公開の第22作「ゼロの執行人」(興収91億円)※安室がキーパーソン
2021年公開の第24作「緋色の弾丸」(興収76億円)※赤井がキーパーソン
2022年公開の第25作「ハロウィンの花嫁」(興収97億円)※安室がキーパーソン
の5作品で、異次元の狙撃手で興収40億円を突破してから右肩上がりに伸びたが、赤井と安室の力だけでは興収100億円は突破できなかったと言える。映画の完成度にもよるが、地味に1位の赤井より2位の安室がキーパーソンを務めた作品のほうが、全体的に興収が伸びている。
黒鉄の魚影には赤井と安室が登場しているが、組織のスパイとして追われた純黒の悪夢と違って後方支援に回り、興収100億円突破は灰原のおかげと言えるだろう。
コナンと灰原のキスシーン炎上も集客につながった?
黒鉄の魚影のクライマックスでは、コナンと灰原のキスシーンがある。
これを巡って、日本と中国のネットはプチ炎上に発展していた。
こういった騒動も集客につながった可能性がある。「炎上は金になる」と言うし、意図的に炎上事件を起こす人も少なくない。コナンと灰原のキスシーンがあるという情報の真偽を確かめるため、実際に映画館へ足を運んだ人も少なくないはずだ。
黒鉄の魚影は、公開からちょうど1ヶ月の5月15日に興収111億円を突破したことが報じられた。コナン映画は毎年、8月中旬ごろまで上映されており、まだまだ記録を伸ばすだろう。
なお、コナン映画はアニメ映画で今や当たり前となった入場者特典を使った戦略を一切行っていない。ジャンプ映画のように、コンプ特典や週替わり特典で来場者を釣るのは別に姑息ではないが、そういった裏技を使うことなく興収100億円は“さすコナ”としか言いようがない。