大阪・吹田市の交番前で男性巡査(26)を包丁で刺し拳銃を奪って逃走したとして逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)はなぜ、警察官から拳銃を奪うというリスクを犯したのか。
6月18日に放送された「グッディ」は、飯森容疑者の小中学校の同級生や野球部の先輩を直撃。なんと、飯森容疑者が逃走中に警察から飯森容疑者が来るかもしれないので気を付けてほしいという趣旨の連絡があり、深夜に警察が訪ねて外で警備していたというのだ。
飯森裕次郎が拳銃を奪った本当の理由 同級生から拒絶され殺害を決意?
飯森容疑者の逃走中に警察から「あなたのところに来るかもしれません」と注意喚起
飯森容疑者の逃走中に警察から「あなたのところに来るかもしれません」と注意喚起
飯森裕次郎容疑者の小中学校の同級生によると
・6月16日午後8時ごろ、警察から連絡が来て
「もしかしたら、あなたのところに飯森裕次郎容疑者が来るかもしれません。気を付けてください」
と注意喚起された
・17日午前2時ごろ、警察が家に訪ねてきて外で警備にあたっていた
6月18日放送「グッディ」より
4年前、「同級生の幻聴が聞こえる」と警察に相談
飯森裕次郎容疑者の小中学校の同級生によると
・4年前に飯森裕次郎容疑者が警察に相談に来た際
「心の中であなたたちの声が聞こえてきて眠れない」
と名前を挙げていた
6月18日放送「グッディ」より
また中学の野球部の先輩も、警察からSNS上で飯森裕次郎容疑者から連絡があったとして、どのようなやりとりをしたのか聞かれ、自己防衛に務めてほしいと言われたそうだ。
【日本語でOK】「ドラクエをやめたら心臓から声が聞こえて困っている」と相談
大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で16日早朝、同署の古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が刺され、実弾入りの拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された東京都品川区のアルバイト従業員、飯森裕次郎容疑者(33)が平成26年11月、「ゲームをやめたら心臓から声が聞こえる」などと警視庁に相談していたことが18日、捜査関係者などへの取材で分かった。
捜査関係者らによると、飯森容疑者は26年11月12日夕、警視庁品川署を1人で訪問。「ドラゴンクエストのゲームをやめたら心臓から声が聞こえて困っている。昔住んでいた吹田市の人たちの声です」「友達や小学校の先生、自衛隊にいたことがあるがその時の同僚の声などが聞こえる」「心臓の中を確認してもらうことはできますか?」などと話した。
対応した警察官が病院で診察を受けることを勧めると、おとなしく帰宅し、その後、相談やトラブルなどはないという。
特定の人物の連絡先を聞き出そうとしていた!
飯森裕次郎容疑者は多くの同級生に似たようなメッセージを送っており、その際に特定の人物の住所や顔写真を求めている。見た限り、同級生の住所と教師(野球部の同窓会ということで顧問か)の顔写真を求めたようだ。
グッディよると、同級生とのやりとりで得た住所の一つが、空き巣被害の虚偽通報の際に使われたという。
事件直前に同級生を飲みに誘うも断られる
拳銃を奪い、同級生を殺害しようとした?専門家の見解は
犯罪心理学者・出口保行氏によると
飯森裕次郎容疑者が「同級生の幻聴が聞こえる」と警察に相談した理由は?
「当時は本当に幻聴が聞こえたのかもしれないし、自分に自傷他害の危険性があるということで、警察に相談していた可能性はある」
なぜ病院ではなく、警察に相談したのか?
「当時から社会に対する強い不満を、誰かに伝えたいという気持ちはあったのではないか。だから自分が抑えられないというような不安というものを、あえて警察に相談したということが考えられる」
飲み会を断られたのがきっかけ?
「被害感・疎外感が強いタイプであると、悪意のない言葉も悪意としてとらえてしまう。そうなると今回のような対応をとられたこと自体、悪意があって断られたのではないかと思い込んでいる可能性も」
拳銃を奪ったのは同級生を殺害するため?
「今回の事件は社会に対して、大きな不安や動揺を与えるというのが一番のターゲット。それが目的だったとすれば、拳銃を持って同級生の家に行くというだけでも、とてつもない不安を与えることができる。実際に襲撃するかはおいといたとしても、どうやったらさらに強い不安を与えることができるのかということを意識しながら行動していたのではないか」
つまり、同級生に不満があった?
「今回の事件自体は前から周到に計画されていたと思うが、どのタイミングで背中を押したのかという事に関して、やはり対人関係上の不満などがあったのではないか」
6月18日放送「グッディ」より
また、番組に出演した北村晴男弁護士は、
「特定の誰かではなく、同級生たくさんに断られた、それに対する怒り、だからそこを歩いて同級生に会ったら襲撃しよう」
と無差別に同級生に発砲しようとした可能性を指摘。
さらに、飯森裕次郎容疑者が拳銃を奪ったことについても
「社会に対する不満というのが、国家権力の象徴である警察官に向かった可能性もある」
という見解を述べた。
警察の取り調べに対し、飯森裕次郎容疑者は
「私のやったことではありません。病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいです」
などと容疑を否認し、黙秘を続けているという。