去年7月、東京・渋谷区で五十嵐友理さんに大量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして、不動産経営者の石原信明容疑者が逮捕された。この事件には多くの謎が残っているが、焦点は覚醒剤についてだろう。
今回の事件での覚醒剤に関して、専門家はどのような見解を示しているのか。
渋谷のドンファン事件の時系列
2016年冬ごろ | 会員制の交際クラブで五十嵐友理さんと石原信明容疑者が出会う ⇒電話やメールで連絡を取り、4回ほど会う |
去年7月22日午前11時ごろ | 夫に「仕事の関係者に会いに行く。夕方には帰る」と伝え、家を出る |
同日正午ごろ~ | 石原容疑者の自宅防犯カメラに2人が入っていく姿が映る 2人で一緒に酒を飲んでいた五十嵐さんが「薬物を酒に混ぜられ、飲んでしまった」と知人にLINE ⇒「警察に行く」というメッセージを送ったのを最後に、連絡がつかなくなった |
7月23日午前7時ごろ | 3階にある寝室のベッドで動かなくなっている五十嵐さんを石原容疑者が発見し119番通報 ⇒駆け付けた救急隊員が全裸で死亡している五十嵐さんを発見 |
今年3月6日 | 殺人と覚醒剤取締法違反(使用)容疑で石原容疑者を逮捕 「私が覚醒剤を摂取させたということは事実ではない」と容疑を否認 |
遺体の状態
・五十嵐さんの体内から致死量の100倍を超える覚醒剤成分が検出され、死因は急性覚醒剤中毒だった
・五十嵐さんに注射痕はなく、胃からはアルコールも検出されている
覚醒剤殺人だと断定された理由
テレビ朝日警視庁担当・日置雄太氏によると
検出された覚醒剤の量が尋常じゃない
この量を飲ませれば誰でも死に至ることは明白
こうしたことから警察は殺人容疑での逮捕に踏み切った
五十嵐さんが覚醒剤を入手できる環境になかったこと
密室で行われた行為の中で
石原容疑者しか覚醒剤を飲ませることができなかったと
断定するのに時間がかかった3月7日放送「報道ステーション」より
一方、石原容疑者も覚醒剤を持っておらず、五十嵐さんのバッグに入っていた薬を投与したと供述
五十嵐さんが苦しみだしたので持病の発作を起こしたと思い、五十嵐さんのバッグの中に入っていた錠剤を投与した
3月8日放送「ゴゴスマ」より
渋谷のドンファン事件”5つの怪”
・致死量の100倍を超える覚醒剤の量は?
・値段はどれくらい?
・覚醒剤を飲まされたのにLINEを打つ暇があるのか?
・酒に混ぜられた大量の覚醒剤は気づかないのか?飲むことができるのか?
・なぜ五十嵐さんは全裸だったのか?
法化学研究センター・雨宮正欣氏によると
◆致死量100倍超の覚醒剤の量は?
・覚醒剤の致死量は0.5~2gなので100倍は50~200g
⇒100倍の覚醒剤を摂取しなくても、体が疾患などで血中の覚醒剤成分の濃度が100倍近くになることも・覚醒剤は1gで最低1mlの水に溶けると言われていて、最低でも50ccの水が必要
⇒物凄く濃い覚醒剤の溶液となり、とても飲めたものではない◆値段はどれくらい?
・末端価格で1g7万円と言われている
⇒50g=350万円、200g=1400万円◆覚醒剤を飲まされたのにLINEを打つ暇があるのか?
血液中の覚醒剤濃度は徐々に上昇するので、症状が出る前にLINEを打てる可能性がある
◆酒に混ぜられた大量の覚醒剤を飲むことはできるのか?
・覚醒剤は非情に苦く、少量でも飲むのは難しい
⇒酒に混ぜられ飲んでしまったとすると、どうして途中でやめられなかったのか◆なぜ五十嵐さんは全裸だったのか?
覚醒剤摂取で錯乱状態、体温が上がって自分から服を脱いだのではないか
3月8日放送「ビビット」「ゴゴスマ」より