6月9日夜、東海道新幹線・東京発新大阪行き「のぞみ265号」の車内で起きた殺人事件についてまとめました。
新幹線殺人事件の概要
▼事件の経過
午後9時50分ごろ:神奈川県の新横浜―小田原間を走行中、突如ナタを持った男が暴れ、男女3人を切りつけた
午後10時すぎ:車内の防犯ブザー押され、小田原市のJR小田原駅で臨時停車。駆け付けた捜査官が、殺人未遂容疑で小島一朗容疑者(22)を逮捕
午後10時20分~45分ごろ:被害者3人が病院に搬送。この約10分後、男性の死亡が確認された
▼現場や当時の状況
・事件があったのは12号車。現場からは、ナイフとナタのような刃物が1本ずつ見つかった
・事件当時、車内には乗客約880人が乗っていた。事件発生直後には数十人が「助けて」などとパニック状態で叫び、前方の車両から後方に逃げ込んでいた
・出入り口の自動ドアあたりの道路で、亡くなった男性と小島一朗容疑者が立ったまま向き合い、声を出さずにもみ合っていた。小島一朗容疑者の顔は無表情だった。黒いTシャツを着て、おとなしい感じに見えた
・車掌が「シートの座面を外し、盾のようにしてください」と言い、多くの人が座面を盾にしていた
・小島一朗容疑者は、刃物を持って男性にまたがるようにしゃがみ込んでいたが、警察官にうながされて無言で立ち上がった
・新幹線の車内には、事件当日に横浜市の日産スタジアムで行われた「東方神起」の公演の観客が多数乗車していた
・小島一朗容疑者は乗車後、乗客らとトラブルなどを起こすことなく座っていたが、突然隣の女性を刃物で刺すと、逃げようとしたもう1人の女性も切りつけた。騒ぎに気付いた男性が制止しようとすると、首を刺されたという
▼被害者
・男性1人が死亡、20代の女性2人が重傷を負った
・死亡した男性は、兵庫県尼崎市の会社員・梅田耕太郎さん(38)
・3人とも首などを負傷。重傷の女性の1人は腕や肩なども刺されていた
小島一朗容疑者の人物像
・被害者3人と面識はなく、「むしゃくしゃしていた。誰でも良かった」と供述
・愛知県一宮市出身で、定時制高校を卒業するまで同市で育った。職業訓練校を経て埼玉県内の会社に就職したが、約1年後に「人間関係が合わない」と言って退職。実家の両親とトラブルがあったため、2016年4月ごろから岡崎市の伯父方で暮らすようになった
・自閉症と診断され、昨年2~3月に岡崎市内の病院の精神科に一時入院していた。また家出を繰り返し、警察に度々保護されていて、昨年12月からは自宅に戻っていなかった
・今年1月に「旅に出る」と言い残し、自転車に乗って自宅を出ていた。それ以前にも何度か家出したことがあった
・伯父曰く、「人に危害を加えることはこれまでなかった。事件を起こしたことは信じられない」
・おとなしく、静かな性格だった一方、ひきこもりがちで自殺をほのめかすこともあった
・中学生のときに不登校になり、その後、自立支援施設で6年以上生活した
・去年まで使用していた部屋には、人生においてやり残したこととして、冬の雪山での自殺などと自殺願望を示すメモが残されていた
・家出したとき、ロープや年金70万円が入った農協のカードを持っていった。最終的に30~40万円を引き出していた
・祖母「2階の部屋に引きこもり、パソコンでインターネットをすることが多かった」
・プライドの高い一面もあり「こういう生き方はしたくない。もっと過酷な生活がしたい」と話す一方、「また仕事をして、挫折するのが怖い」とも漏らしていた
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