1999年11月に名古屋市西区のアパートで主婦高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件は、同市港区東海通のアルバイト安福久美子容疑者の“出頭”で幕を閉じた。
26年にわたる未解決事件は犯人の出頭で幕を閉じたわけだが、なぜ今になって出頭としたのか。また、自首ではない理由を考察したい。
出頭と自首の違い
Grokによると
ポイント
・出頭は「場所に行く行為」だけ。自首には罪の告白が必須。
・自首が成立するには、事件がまだ警察に発覚していない(または犯人が特定されていない)ことが必要。
・すでに逮捕状が出ている場合や、警察に呼ばれて出頭しても、自首にはならない(ただし「出頭」にはなる)。結論
「出頭」= 行くこと
「自首」= 罪を自ら告白して処分を求めること
→ 自首は出頭の一種だが、出頭しても自首にならないケースがほとんど。
報道では一貫して「出頭」としており、「自首」という言葉は一切使われていない。
逮捕までの流れだが、報道によると、
・愛知県警は2025年に入り、安福容疑者を複数回任意で事情聴取
・DNA型の任意提出も求めていたが、拒否されていた
・しかし、10月に入って一転して提出に応じ、鑑定を進めていた
・その後、30日に安福容疑者が1人で県警西署に出頭
・出頭の際に、事件への関与をほのめかす趣旨の話
・県警の捜査で、現場のアパートに残っていた血痕から採取されたDNA型と容疑者のDNA型が一致していることが31日に確認されたことを受け、同時逮捕に踏み切った
自ら警察に出向いたが、すでに警察からマークされている状態であり、その状態で警察に罪を告白しても「出頭」扱いとなり、罪は軽くない。
「名探偵コナン」ではごくまれに犯人が自首することがあるが、コナンが犯人を特定し、犯人に犯した罪を暴く流れが多い(さらに稀にコナン以外の人物が立ち会う事も)。
コナンには犯人だとバレたが、目暮警部などをはじめとする警察にはバレていないため、自ら罪を認める行為は「自首」となる。
このことから、事件が警察に発覚しても警察から犯人だと疑われる前に罪を告白すれば「自首」となるが、警察からマークされている状態で告白しても「出頭」にしかならないのだと思われる。
安福容疑者がなぜ出頭したかだが、以下2つが考えられる。
1.警察からマークされ、もう逃げきれないと判断した(DNAの提出を求められており、ほぼクロという形で捜査が進められたと思われる)
2.まだ逮捕されておらず、自ら罪を告白すればワンチャン罪が軽くなると思った
個人的には、両方あるのではないかと思われる。
安福容疑者「警察からDNAの提出を求められ、すでに犯人扱い! でも、まだ逮捕されていないから罪を告白すれば、ワンチャン罪が軽くなるんじゃね?」。
事件が起きた1999年11月時点では殺人罪に時効があったが、今年公開の映画「名探偵コナン 隻眼の残像」でも取り上げられた刑事訴訟法の改正が2010年4月に行われたことで、殺人罪に時効がなくなった。
殺人罪の時効がなくなった上、自首扱いになって罪が軽くなると思っていたのだとしたら、中々の不運だ。しかし、これは殺人犯を逃げ得にしないという被害者遺族と警察の意地なのかもしれない。


