藍の円盤に登場したテラパゴスの特性や専用技などの仕様について先日、テラパゴスの特性・専用技の仕様解説-ポケモンSV藍の円盤の記事で解説した。
今回はテラパゴスは強いのか弱いのか考察したい。
テラパゴスは弱い
結論から言えば「弱い」だろう。
理由を語る前に、まずは各フォルムの種族値や特性を紹介したい。
■ノーマルフォルム
タイプ:ノーマル
種族値:HP90-攻撃65-防御85-特攻65-特防85-素早さ60(合計450)
特性:テラスチェンジ(テラスタルフォルムに変化する)■テラスタルフォルム
タイプ:ノーマル
種族値:HP95-攻撃95-防御110-特攻105-特防110-素早さ85(合計600)
特性:テラスシェル(HPが満タンのとき、受けるダメージをすべて今一つにする)■ステラフォルム
タイプ:ノーマル
種族値:HP160-攻撃105-防御110-特攻130-特防110-素早さ85(合計700)
特性:ゼロフォーミング(ステラフォルムになったとき、天候とフィールドをリセットする)
ノーマルフォルムは合計種族値450の貧弱ポケモン。しかし、テラスチェンジですぐさまテラスタルフォルムになるのでそこまで気にならない。この特性はかがくへんかガスで無効化されることもない。
テラスタルフォルムは合計種族値600。一般環境であればトップクラスの種族値だが、禁伝環境だとまだまだ低い。特性「テラスシェル」はいわばマルチスケイルの上位互換と言える。
しかし、テラパゴスはじこさいせいなどの安定回復技を覚えない。マルチスケイルを持つカイリューははねやすめ、同じ特性を持つルギアはじこさいせい、マルチスケイルと同じ効果を持つファントムガードを持つルナアーラを覚え、これらと比較すると見劣りする。
極めつけはステラフォルム。合計種族値700と禁伝の中でもトップクラスだが、HPが160あるのに対し、特に攻撃面は一番高い特攻でも130止まりになっている。
そして、特性「ゼロフォーミング」は天候とフィールドをリセットするだけというショボい効果なうえ、テラスタルしたとき1回しかリセットできないのがゴミ。しかも、かがくへんかガスで無効化された場合、その後にかがくへんかガスが消えたとしても発動することはない。
専用技のテラクラスターはノーマルタイプの特殊威力120と高火力で、ステラフォルムのときに使用すると相手全体攻撃となる。しかし、テラスタルしたターンは単体攻撃のままで、1ターン待たないといけない。
ステラタイプなため、
・元タイプと同じタイプは威力2倍
・元タイプと違うタイプも1.2倍
・ステラタイプになったテラクラスターはテラスタルしたポケモンに2倍弱点となり、ステラ以外のタイプには等倍となる
などの恩恵を受けられるほか、通常のステラタイプのデメリットだった「威力が上がるのはタイプごとに一度のみ」という制限がテラパゴスには存在しない。そのため、ずっと威力が上がったままとなる。
一方、防御時のタイプは変わらないというデメリットは変わらない。しかも、テラパゴスはステラからほかのテラスタイプに変えられず、かくとうが一貫してしまう。せっかく耐久種族値が高くても、タイプが変わらないのでは意味がない。
ステラフォルムまで行くと、ようやく”そこそこ戦えるレベル”になる。事実、ストーリーではテラパゴスをゲットしたスグリだが、主人公に敗れると、
な・・・・・・ なんで??
テラパゴスさえ・・・・・・
ゼロの秘宝さえ あれば・・・・・・・
強くなれるんじゃ・・・・・・ ないの?
とあまりの弱さに落胆。
その後バトルするステラフォルムの前座でしかなかった。
しかし、ステラフォルムもそこまで強いわけでもなく、そもそもテラスタルしないと弱いポケモンはランクマで活躍するのは難しいだろう。ランクマで活躍できるのは”テラスタルしなくても強いけど、テラスタルしたらもっと強いポケモン”だからだ。
RS・XY禁伝と同じ三つ巴に
ステラフォルムのゼロフォーミングは天気とフィールドをリセットするということで、コライドンのひひいろのこどうとミライドンのハドロンエンジンへのメタとなっている。
つまり、3体の伝説のポケモンは三つ巴の関係になっているというわけだ。
これはRSのカイオーガとグラードンの天候メタのレックウザ、XYのゼルネアスとイベルタルのオーラメタのジガルデのような三つ巴だ。しかし、パッケージ伝説をメタった第三の伝説のポケモンはいずれも対戦環境では活躍しづらいポケモンだった。
ただ、レックウザはORASでメガシンカをもらい、メガシンカが続投したUSUM環境までは活躍した。ジガルデはサンムーンでパーフェクトフォルムを得て、少しは活躍できるようになった。
テラパゴスも今後のシリーズで強化されると思うが、SV環境だと厳しいところだろう。
一方、コライドンとミライドンもメタるほど強いかと言われると微妙なところ。ザシアンやカイオーガ、黒バドレックスといった歴代の禁伝に比べると明らかにパワー不足に思える。
特に今作はこの3体だけでなく、
・ルギア:テラスタルと相性がいいマルチスケイル持ち。じこさいせいを覚える
・ホウオウ:テラスタルでいわ&4倍は消すことができ、特性「さいせいりょく」やじこさいせいでの粘り強さが果敢なく発揮できるようになった
・レックウザ:特性「エアロック」による天候メタ、攻撃種族値150と攻撃種族値134のカイリューを超えるしんそく使い
・ゼクロム&FCキュレム:特性「ターボブレイズ&テラボルテージ」でルギアのマルチスケイルを無視したうえで、タイプ一致技で弱点つける
・ルナアーラ:テラスタルと相性がいいファントムガード持ち。特にルナアーラはあく4倍弱点を消すことができ、つきのひかりを覚える
・ザマゼンタ:特性「ふくつのたて」+てっぺきにより、1ターンで防御が3段階上がり、念願のボディプレスが超強力に
なども強く、これまでの傾向から、禁伝は構築に1体または2体しか入れられず、果たしてコライドンやミライドンを入れる余地があるのだろうか。