ポケモンSVのランクマ・シーズン3から間もなく3週間が経つ。現環境はいわゆるパラドックス環境で、パラドックスポケモンが使えるが、実際に使ってみると、そこまで強くないと感じる人も少なくないはずだ。
パラドックスがそこまで強くない理由
パラドックスポケモンは計14体いて、うち12体は合計種族値570、うち2体は合計種族値590となっている。
しかし、それぞれの種族値に飛びぬけて高い数値はない。最大値はテツノカイナのHP154で、HP以外では140が最大値となっている。
140程度なら一般ポケモンでもいるし、これを超えるポケモンも少なくない。
特性は、古代ポケモンが「こだいかっせい」、未来ポケモンが「クォークチャージ」であり、ブーストエナジーを持たせるか、こだいかっせいはにほんばれ、クォークチャージはエレキフィールドの時に自分の一番高い能力が上がる。
これが特にパラドックスポケモンが微妙だという評価につながっていると思われる。
シングルでもダブルでも、特性発動は基本的に「ブーストエナジー」が使われ、にほんばれやエレキフィールドでの発動は少ない。
理由としては
・にほんばれやエレキフィールドにより、相手のパラドックスやこれらの影響を受けるポケモンたちを強化してしまう
・ダブルではコータスはまだしも、バチンウニは単体性能が低く、採用は厳しい
・シングルに至っては天候パが弱く、そもそもコータスすら入れないことがほとんど
といったことが挙げられる。
上がる能力も、素早さが1.5倍に対し、ほかは1.3倍しか上がらず、こだわりアイテムといのちのたまの立ち位置だが、こちらはどの能力を上げてもリスクに違いはなく、であれば1.5倍のほうが圧倒的に強いわけで、実質素早さ一択となっている。
ブーストエナジーによる特性発動が余儀なくされており、パラドックスポケモンを構築にたくさん入れてしまうと、特性を発動できないポケモンばかりになる。
以前、当サイトではパラドックスは2体までと推奨したが、これは特性発動の制限だけでなく、パラドックスポケモン自体がそこまで強いわけではないことも挙げられる。
ウルトラビーストのほうが強い
パラドックスに近い存在として、SMに登場したウルトラビーストが挙げられる。
共通点としては
・今いる世界とは別のところからやってきたポケモン
・別世界ではたくさんいて、それが主人公たちの住む世界に流れており、何体でもゲットできる
※サンムーンでのウルトラビーストは一部、1体しかゲットできず、剣盾のダイマックスアドベンチャーに登場した個体は1体のみゲットできた
・合計種族値は570前後の準伝クラス
・特性またはその効果がシリーズで共通しており、自分の一番高い能力を上げるというもの
といったものが挙げられる。
しかし、ウルトラビーストのほうがより実践向きだと思う。
ウルトラビーストは計11体おり、その中でも
フェローチェ:71-137-37-137-37-151 (570)
デンジュモク:83-89-71-173-71-83 (570)
カミツルギ:59-181-131-59-31-109 (570)
アクジキング:223-101-53-97-53-43 (570)
ツンデツンデ:61-131-211-53-101-13 (570)
ズガドーン:53-127-53-151-79-107 (570)
といった6体は1つの能力が禁伝クラスの150を超えており、ズバぬけて高い長所があった。
11体はいずれも特性「ビーストブースト」を持ち、自分の技で相手を倒すと、自分の一番高い能力が1段階上がる。
パラドックスの特性と異なり、専用のアイテムだったり、特定の天候やフィールドは必要なく、ただ相手を倒すだけで発動できるため、数の制限もかからない。
どの能力でも1.5倍上がるためカスタマイズ性が高く、効果の重複も可能だ。ダブルでは、複数体を同時に倒すことでその分能力を上げられる。
パラドックスポケモンがパワー不足となったのは、ウルトラビーストでやり過ぎたことによる反省だったのだろうか。

