ポケモンSVランクマ・シーズン10終了まであと4日となった。シーズン10はレギュレーションDが採用されているが、碧の仮面に登場したオーガポンをはじめとする新ポケモン7体も使用できる。
シーズン10終盤において、ようやく形になった構築ができたので紹介したい。
レギュレーションD・シーズン10ダブル使用構築
ハバタクカミ
テラスタイプ:フェアリー
持ち物:こだわりメガネ
技:マジカルシャイン シャドーボール ムーンフォース 10まんボルト
性格補正:おくびょう
個体値:31-×-31-31-31-31
努力値:HP131(4)-攻撃×-防御75-特攻187(252)-特防155-素早さ205(252)
特性:こだいかっせい
トルネロス
テラスタイプ:ゴースト
持ち物:ゴツゴツメット
技:おいかぜ あまごい こがらしあらし ちょうはつ
性格補正:ずぶとい
個体値:31-×-31-31-31-31
努力値:HP183(228)-攻撃×-防御133(244)-特攻150(36)-特防100-素早さ131
いじっぱりパオジアンのいのちのたまつららおとしを、いかく込みで18.8%耐え
いじっぱり連撃ウーラオスのしんぴのしずく+みずテラス=すいりゅうれんだ高乱数耐え
いじっぱりテツノカイナのワイルドボルト25%耐え
ハバタクカミのこだわりメガネムーンフォース確定耐え
特性:いたずらごころ
パオジアン
テラスタイプ:ゴースト
持ち物:きあいのタスキ
技:つららおとし ふいうち せいなるつるぎ まもる
性格補正:ようき
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP156(4)-攻撃172(252)-防御100-特攻×-特防85-素早さ205(252)
特性:わざわいのつるぎ
ウーラオス
テラスタイプ:みず
持ち物:しんぴのしずく
技:すいりゅうれんだ インファイト アクアジェット みきり
性格補正:いじっぱり
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP189(108)-攻撃200(252)-防御120-特攻×-特防80-素早さ136(148)
いじっぱりゴリランダーのきせきのタネ+グラスフィールド=グラススライダー確定耐え
ハバタクカミのこだわりメガネ+テラスマジカルシャイン=ダブルダメージ確定耐え
素早さは余り(S無振り化身トルネロス+5になっていて、ずぶといなら抜ける可能性大)
特性:ふかしのこぶし
ゴリランダー
テラスタイプ:ほのお
持ち物:きせきのタネ
技:ねこだまし ウッドハンマー グラススライダー まもる
性格補正:いじっぱり
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP207(252)-攻撃187(196)-防御110-特攻×-特防90-素早さ113(60)
最速ガチグマ抜き
特性:グラスメイカー
ランドロス
テラスタイプ:ひこう
持ち物:こだわりスカーフ
技:とんぼがえり じだんだ いわなだれ テラバースト
性格補正:ようき
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP165(4)-攻撃197(252)-防御110-特攻×-特防100-素早さ157(252)
特性:いかく
個別解説
ハバタクカミはシーズン10中盤に紹介したこだわりメガネ型から変更していない。
ポケモンバトルデータベースによると、ハバタクカミの性格で一番多いのはおくびょうで54%を占め、持ち物でもっとも多いのはブーストエナジーで41.2%となっている。
これらの組み合わせから、ブーストエナジーで素早さを上げるのがもっともメジャーだが、このあと紹介する化身トルネロスのおいかぜで素早さを上げられるので、火力が上がるこだわりメガネでいいと思う。
最近の化身トルネロスはにほんばれ採用が32.6%あり、こちらの化身トルネロスのあまごいや、このあと紹介する連撃ウーラオスのみず技対策で、にほんばれを誘いやすい。
結果、こだいかっせいのタダ乗りが期待でき、そうなればこだわりメガネで特攻1.5倍、こだいかっせいで素早さ1.5倍といった恩恵を受けられる。
化身トルネロスは前回、メンタルハーブを持たせていたが、化身トルネロスミラーでのちょうはつ対策ピンポになりがちで、連撃ウーラオスのすいりゅうれんだなど接触技で発動するゴツゴツメットのほうが幅広い場面で活用できると思って採用した。
最後の技は前回、こわいかおを覚えさせていたが、こわいかおよりもちょうはつが必要な場面が多かったので変更した。
ずぶといHBベースこそ変わらないが、前回のイーユイのこだわりメガネあくのはどう高乱数耐えはあまり需要がなかったため、余った努力値を特攻に回して火力に振った。耐久振りでもこがらしあらしを打つ機会が多く、少しでも火力は必要だと感じた。
パオジアンの調整は前回とほぼ同じだが、どくテラスをゴーストテラスに戻した。
どくテラスはあまり必要な場面がなく、結局オーソドックなゴーストテラスに落ち着いた。
こおり技は相変わらずつららおとしだが、連撃ウーラオス対策でよく使われるゴツゴツメット持ちに加え、オーガポンのニードルガードにより、接触技のアイススピナーはますます入れにくくなった。
このあと紹介するゴリランダーが入っており、そもそもアイススピナーは入れられないのも引き続きだ。
連撃ウーラオスは前回ほのおテラスだったが、みずテラスに戻した。
ほのおテラスはゴリランダーやオーガポン、最近増えたヤバソチャ対策も兼ねて採用したが、結局みずテラスで火力を底上げしたほうが相変わらず強いという結論に至った。
みずタイプのままとなると、先制技となったグラススライダーが弱点で縛られやすくなると思われるが、ゴリランダーのグラススライダーはきせきのタネ持ちまで確定で耐える。最近、オーガポンにもグラススライダーが33.6%で採用されているが、こちらも耐える。
ゴリランダーには素早さで勝っており、アクアジェットならゴリランダーのグラススライダーより早く動いて縛りを解除できる。
オーガポンには素早さで負けているが、おいかぜで素早さ操作することで上を取れ、オーガポンの持ち物でもっとも多いかまどのめんにはみず技が等倍で通り、またグラススライダーは確定枠でないので、素早さが上回ればむしろ連撃ウーラオスが有利とも言える。
かくとう技は前回、ドレインパンチを覚えさせていたが、結局インファイトに落ち着いた。インファイト採用に伴い、HP振りも必要最低限に抑えた。
ニードルガードもふかしのこぶしで無視でき、くさタイプが増えた現在も連撃ウーラオスは止まらなかった。
ゴリランダーは前回とつげきチョッキだったが、今回はきせきのタネにした。
とつげきチョッキにしなくても大抵の特殊技は一発耐え、であればきせきのタネでウッドハンマーやグラススライダーといったくさ技の火力を上げたほうがいいという結論に至った。
剣盾でも、ゴリランダーの持ち物でもっとも多かったのはとつげきチョッキだったが、環境が進むときせきのタネが上回った。シーズン36現在、もっとも多いのはきせきのタネの36%で、次いでとつげきチョッキで33%になっている。
きせきのタネにしたことで、とんぼがえりをまもるに変えた。とんぼがえりはアイススピナーでグラスフィールドが破壊されることを考慮し、早々に控えに下がる目的で採用したが、そもそもアイススピナーがあまり使われておらず、とんぼがえりを入れるメリットがそこまでないと思った。
ゴリランダーのまもる採用率は13%しかなく、少なくとも今は読まれにくいはずだ。まもるを持っていないことがほとんどであり、ゆえに集中攻撃されがちだが、そこでまもるが決まれば一気にアドバンテージを取れる。
ちなみに、剣盾ではシーズン36現在、まもるは41.5%と4番目に多い。つまり、このゴリランダーは新世代型と言えるわけだ。
霊獣ランドロスはひこうテラスにこだわりスカーフという、バトルデータベースを見た限り、今もっとも使われている型と思われる。
ひこうテラスからのテラバーストで、ゴリランダーやオーガポンといったくさタイプの弱点をつけるほか、こだわりスカーフを持たせることで、オーガポンにも先制できる。ブーストエナジーではないハバタクカミやパオジアン、ウーラオスといった環境トップメタも抜き去る。
なお、連撃ウーラオスはこだわりスカーフを持たせていることが多く、24.4%で2番目に多い。相手もスカーフだと抜かれてしまうが、ようきにすることで、いじっぱりであれば抜くことができる。事実、いじっぱりが73.7%となっており、大抵はいじっぱりだと思われる。
この枠は前回、かまどオーガポンを採用していたが、最終的にどのオーガポンも構築から消えてもらうことになった。
▼前回構築
オーガポンを採用しなかった理由
オーガポンは当初、合計種族値550でありながら禁伝級のスペックを持ち、めちゃくちゃ強いと思っていた。それについて、当サイトでも何度か取り上げた。
しかし、それは本当に最初だけ。ある程度、環境が進むと実はそんなに強くなかったという考えに至った。
どのオーガポンにも共通する弱点だが、情報アドバンテージで非常に不利というのが弱い。
具体的には
・4つのお面はアイコンで区別されており、見せあいでどのお面なのかバレる
・テラスタイプはそれぞれ固定
・持ち物はみどりのめん以外固定
・どのオーガポンもツタこんぼう/ニードルガードが必須枠で、ほか2つのうち1つはくさ技(ウッドホーン>グラススライダー>ウッドハンマー)技が入ってきて、技構成も3つはバレている
・特性はそれぞれ固定
といった所。
WCSなどで採用されるオープンシートなら情報アドバンテージによる不利もないが、お互いの情報が開示されないランクマにおいて、ほとんどの情報が見せあいの時点でバレてしまうわけだ。
特にテラスタルは何タイプになるのかわからないというのが強みなのに、最初からバレていては全く意表をつけない。
しかも、テラスタイプは元タイプから変わらず、テラスタルを考慮した技選択が容易にできてしまう(例:かまどのめんはほのおテラスなため、いわ技を打っておけばテラスタルしても2倍弱点が通る)。
オーガポンはいわゆる、フォルムチェンジの位置づけだが、ほかのフォルムチェンジと異なり、種族値は一切変わらない。そして、物理アタッカーゆえにいかくに弱い。
元々多い霊獣ランドロスに加え、オーガポンが増加した影響か、ヒスイウインディも増えている。これら2体を採用した構築もみられ、いかくのサイクルを回されれば、火力がどんどん削られる。
かまどのめんなら、テラスタルによる攻撃1段階アップでいかく1回分を帳消しにできるが、テラスタルをきることが前提となってしまう。
もっとも使われているかまどのめんだが、くさとほのおはほのおタイプとドラゴンタイプに両半減される。一応、ほのおタイプはじだんだ、ドラゴンタイプはじゃれつくで弱点つくこともできる。
かたやぶりはヒードランのもらいびを無視でき、特にくさテラスをきってきた時にツタこんぼうが弱点で通るのが強みだが、逆に言えば実用性はほぼそれくらいしかない。
ヒードラン側も、かまどオーガポン対策でとくせいガードを持たせた個体がわずかにおり、こちらからすれば、とくせいガードを持っているのか分からず、知らずにツタこんぼうを打ったら最後、もらいびでほのお技を強化してしまう。
しかも、ほのお技はかまどオーガポンに等倍であり、ねっぷうで大ダメージを受けてしまう。
ほかの実用性としては、カイリューのマルチスケイル、グレンアルマのもらいび、ヒスイヌメルゴンのシェルアーマーとそうしょくを無視できるといった用途がある。
しかし、カイリューはくさもほのおも半減で、最近はせいしんりょく採用が50.4%でわずかに上回っている。
グレンアルマもくさとほのおが半減で、55.4%でもっとも多いくさテラスをきってきたら初めて有効になる。しかし、くだけるよろい採用も48.8%おり、ほのお技は半減なため、少ないダメージで素早さを2段階上げてしまい、下手なほのお技はかえって命とりとなる。
ヒスイヌメルゴンにはほのお技が等倍で通り、かたやぶりによってツタこんぼうなどによる急所はシェルアーマーで無効化されない。34.6%で2番目に多いみずテラス時は大抵そうしょくだが、こちらもかたやぶりで無視してくさ技を弱点で通せる。
4体の中でもっとも実用性があるが、ヒスイヌメルゴンの使用率は29位とそこまで多くなく、実際はかたやぶりが活きてくる機会も少ない。
テラスタル後のおもかげやどしでは攻撃が上がり、いかく1回分を帳消しにできるが、テラスタルをきることが前提となってしまう。
2番目に使われているいどのめんだが、くさとみずはくさタイプとドラゴンタイプに両半減される。特に今の環境が多いくさタイプに打点がないのは微妙だ。
4つの面で唯一、元タイプとテラスタイプで弱点が一貫しないが、そもそもそれが普通であり、何も特別ではない。そして、みずテラスはくさタイプに弱く、くさタイプが多い今の環境では連撃ウーラオス並みのスペックがないと厳しいだろう。
くさタイプの増加に伴い、多くの水タイプが数を減らした現状、ちょすいは連撃ウーラオスのみず技ピンポイントになりがちだ。このゆびとまれを覚え、味方に向けられたみず技を誘導してちょすいで回復することもできる。
テラスタル後のおもかげやどしでは特防が上がるが、SVはずっと物理環境であり、特防アップの恩恵がそこまで旨味と感じない。
ツタこんぼうの火力は、強化アイテムを持っていない連撃ウーラオスのすいりゅうれんだにすら劣る。くさタイプが入っているため完全な劣化ではないが、比べると見劣りする部分が見受けられる。
3番目に使われているいしずえのめんだが、くさといわははがねタイプに両半減される。ただ、ヒードランにはいわ技が等倍で通り、サーフゴーは前環境に比べて数を減らしている。あとははがねテラスに半減されるくらいだ。
いわ単タイプは弱点5つに対し、半減4つとなっており、テラスタルするには弱い。
がんじょうやおもかげやどしによる防御アップは、連撃ウーラオスで容易に突破されてしまう。一度、いしずえオーガポンを使った際、連撃ウーラオスに全て破壊されている。
現在、もっとも使用率が低いみどりのめんだが、テラスタルしてもくさ単タイプから変わらないだけでも微妙なのに、お面を持たせないため、技の威力1.2倍の恩恵もない。
まけんきはいかくが多い環境が活きてきて、テラスタイプ後のおもかげやどしで素早さが上がるのは強い。
一方、最初のDLCで看板だったという共通点があるウーラオスは
・2つの型はアイコンが区別されておらず、見せあいで型がバレない
・テラスタイプはみずが圧倒的だが、自由に選ぶことができる
・持ち物は自由に選べる
・連撃はすいりゅうれんだ、一撃はあんこくきょうだが必須枠で、あとは持ち物や構築によって変わってくる
・特性は固定
など、オーガポンと比べて情報アドバンテージで不利になりづらい。
当初はオーガポン1体でバトルを荒らすことが多かったが、今となってはそれもほとんどなく、その一方で連撃ウーラオスはくさタイプが増えた現在も相変わらず強い。
結果、結論パベースにくさ枠はゴリランダーのみ加えた構築が最強だという結論に至った。