2月28日発売のモンハンワイルズだが、ファミ通が3月6日に公開した「2025年2月24日~3月2日のゲームソフト&ハード週間推定販売数」によると、PS5版が60万1179本で1位という結果だった。
この結果はダウンロード版をのぞいた国内売り上げとなっているが、全世界販売本数800万本の1割以下ということで、かなり寂しい売り上げとなった。
そんな中、YouTubeのまとめ動画などで「ワイルズPS5はダウンロード率9割、国内売上600万本!」という謎理論が展開されている。しかし、これは絶対にないであろうことを論破したい。
「ワイルズPS5はダウンロード率9割、国内売上600万本!」の根拠
調べたところ、根拠はソニーとカプコンの「2025年3月期 第3四半期(2024年10月1日~2024年12月31日)決算」と思われる。
■ソニー決算
■カプコン決算
ソニー決算の「PlayStation5® hardware and software unit sales(Google翻訳:PlayStation 5®ハードウェアおよびソフトウェアの販売台数)」→「Full game⁹ software(PlayStation4®/PlayStation5®)」という項目を見て欲しい。
「FY24(2024年)」→「Q3(第3四半期【2024年10月1日~2024年12月31日】)」には「95.9%」という数字が。おそらく、これのことを言っているのではないか。
ただ、これはおそらく、パッケージ版とダウンロード版を含めた数字だと思われる。現に、その下にある「Full game software digital download ratio【Google翻訳:フルゲームソフトウェアのデジタルダウンロード率】(PlayStation4®/PlayStation5®)」はダウンロード版の比率とみられ、2024年第3四半期は74%となっている。
つまり、PSソフトのダウンロード率は95%ではなく74%ということになる。
続いて、カプコン決算だが「Q3(第3四半期)累計 販売本数実績」の「24/12(2024年10月~12月)」を見ると「DL本数」が91.2%となっている。ただ、これはPCゲームと家庭用ゲーム機の本数を合算した数字となっている。
現に「販売本数ハード別推移」の「24/12」を見ると「PC本数(デジタル)」が52%「家庭用ゲーム機本数(デジタル)が40%「パッケージ本数」が9%となっている。
したがって、カプコンソフトのダウンロード率も9割ではなく4割程度となる。なお、家庭用ゲーム機はPSのほか、SwitchとXboxがあり、これらを全て含めて4割となるため、PSのみの数字はもっと少ない。
Q3(第3四半期)累計 販売本数実績に戻ると、海外本数が85.7%、国内本数が14.3%を占めている。海外が8割ということで、海外で主流なPC人気が根強いのだろう。
ほかにも、リピート(前期以前の発売タイトル)本数が93.7%、新作本数が6.3%となっている。リピートタイトルが9割以上ということだが、カプコンは旧作のセールを定期的にやっており、その期間に購入する層が多いようだ(筆者もよく利用してます)
ここまでまとめると
・PSソフトのダウンロード率は95%ではなく74%
・カプコンソフトのダウンロード率9割はPCと家庭用の合算であり、家庭用だけなら4割しかない
→家庭用はPSのほか、SwitchとXboxを含めた合計なので、PSのみの数字はもっと少ない・販売本数は海外が8割以上
・リピート(旧作)タイトルが9割以上
ワイルズの場合、PS5のパッケージ版60万本が26%となり、ダウンロード版は74%で171万本。合計231万本に。しかし、PSソフトのダウンロード率は世界合算なので、国内での比率は異なるはずだ。
また、このダウンロード率は旧作と新作の合算となっている。旧作はセールでダウンロードする人こそ多いが、新作をダウンロード版で買う人がどれだけいるのか。
新作ソフトのパッケージ版とダウンロード版の比率を調べたが、まともな情報は見つからなかった。そのため、これは筆者の想像になってしまうが、新作ソフトをダウンロード版で買う人は2割から精々3割くらいだと思われる。
その根拠としては、ダウンロード版のメリットがほとんどないからである。
ダウンロード版のメリットは全然メリットじゃない!
ダウンロード版のメリットは精々「買いに行く手間が省ける」「発売日の0時からプレイできる」「旧作はセールで安くなる」「ロードが早くなる(Switchソフトだけ?)」くらいではないか。
「売り切れの心配がない」もメリットと言えなくもないが、最近のソフトで売り切れることはめったにない。
昨年11月発売のドラクエ3リメイクはSwitch版が売り切れていたが、あのようなことはめったにない。そのため、あまりメリットに感じない。
「買いに行く手間が省ける」だが、買いに行くのは店だけでなく、ネットで買って届くまで待つのも含まれる。これは面倒だが、ダウンロード版も「PSストアカード」や「ニンテンドープリペイドカード」などで決済するなら、それをコンビニなどへ買いに行く手間が発生する。
そのため、結局は買いに行かないといけないこともある。
「発売日の0時からプレイできる」は一見嬉しいが、最近はそこまでメリットじゃないと感じた。0時からプレイできると言っても、朝になればゲームショップが開店して買いに行くことができる。
たった数時間待てばプレイできるのに、夜更かししてまでやる意味があるのか。そもそも、0時からプレイするってなると、そこからぶっ通しでプレイすることが多いので、寝る暇がない。
一方、パッケージ版であれば朝まで寝られるので、寝不足を解消したうえでそこからぶっ通しプレイできる。よく考えたら、そっちの方が良くないか。
ほかには、買おうかどうか迷っているタイトルのとき、0時からYouTubeなどで配信している人たちのプレイを見て、買うかどうか決めるのも。これは新作だと特に重要となる。
0時からプレイするってなると、事前に買っているはずなのでその見極めもできず、買って後悔する可能性がある。
「旧作はセールで安くなる」だが、いつでも安くなるわけじゃない。一方、パッケージ版は中古があり、いつでも安く買える可能性がある。
したがって、ソフトはパッケージ版が大安定。新作は高く、失敗を避けるなら特にだ。
ダウンロード版を含めた総売上予想
新作ソフトのダウンロード版を買う人が2割から3割だとすると、パッケージ版は7割から8割となる。ダウンロード版が3割だと仮定して、PS5のパッケージ版60.1万本が7割だとすると、およそ25.7万本。合計85.9万本くらいになる。
これにXbox Series X|Sを入れて100万本ちょっとではないか。海外はPCが圧倒的だと思うので、PSとXboxを入れたとしても、200万本はいかないと思われる。
結果、やはりPC版が600万本以上で間違いないと思われる。同接100万人以上であれば、それくらい売れていてもおかしくない。
参考までに、昨年8月に発売、Steam最大同接241万人を達成した「黒神話:悟空」はワイルズ同様、発売3日間で販売本数1000万本を突破した。同接241万人で1000万本なので、最大同接138万人なら600万本が妥当な数字ではないか。
ワイルズはセールから本番
ワイルズのダウンロード本数(特にCS)を増やすとなると、やはりセールは外せない。調べたところ、モンハン(というよりカプコン?)のセールは数ヶ月置きにやっており、大型セールは夏と冬にやっていた模様。
夏は第2回アップデートがあり、春の第1回アプデを含めたコンテンツ追加を踏まえると、その頃が買い時かもしれない。