涼宮ハルヒシリーズの新刊「涼宮ハルヒの直観」が11月25日に発売された。「涼宮ハルヒの驚愕」以来、9年ぶりの新刊だったが、Amazonランキングで瞬間1位にランクイン。公式によると、予想をはるかに上回る売り上げで、27日に重版が決定した。
また、憂鬱から驚愕までの11巻やコミカライズ版も重版決定。そのほか、コラボやライブなどのイベントを連発し、早くも飛ばしまくっている。
一方、Amazonのレビューは厳しいものとなっている。
涼宮ハルヒの直観、Amazonで瞬間1位!
営業さんが「Amazonの本ランキングでまた1位ですよ!」と興奮気味にスクリーンショットを送ってくれました。嬉しい限りです。
沢山の方に手に取っていただけて、さっき緊急重版も決定しました……‼ pic.twitter.com/PnU8F7P5wR— 涼宮ハルヒの公式 (@haruhi_official) November 27, 2020
Amazonで販売されている涼宮ハルヒの直観は11月27日、本の売れ筋ランキング1位にランクイン。これを受け、ハルヒ公式は「嬉しい限りです」とコメントした。
一方、レビューは辛口
星5は56%、星4は6%で高評価率は62%と決して悪くない。
Amazonのレビューはその商品を買わなくても付けることができ、しばしばサクラレビューが出没する。そのため、「Amazonで購入のみ」のフィルタをかけてみた。
すると…
星5:7/54
星4:0/54
星3:10/54
星2:3/54
星1:0/54
■星5レビューの要点まとめ
・ミステリ好きとしては今回の巻はクリティカルヒットだった
→叙述トリックはかなり練られていた・一つ一つの描写に無駄がない、十年前から変わらない面白さを持った名作
・これだけ期間が空いたにも関わらず、文体がまるで崩れていない印象
→地の文もセリフも、懐かしい声優ボイスで脳内再生された
星5レビューだが、内容が無いようすぎてとにかくひどい。ほかにも「もったいないから内容はまだ読んでいない」「便乗して買っただけだが面白い」などレビューにすらなっていないものもあり、本当に買ったのか怪しいレベルだ。
■星3レビューの要点まとめ
Aさんのレビュー
・涼宮ハルヒとSOS団の素晴らしさを再認識し、最初の短編ではハルヒとキョンの絡みに青春の甘酸っぱさを思い出せた
・一方、七不思議と今回書き下ろしのミステリーは「ハルヒ」印がついていたとしてもかなり出来が悪い
・文章が不必要にこわばっていて、内容も冗長だった
・今作の内容やあとがきを見る限り、作者はもう本編の続きを書けない、または書く気がないと薄々感づいたことをもう一度突きつけられた
・それでも、「続きはどうするんだ」というネットの議論に作者本人が引導を渡したのはせめてもの救いと感じた
Bさんのレビュー
・今回、不思議らしい不思議は怒らず、とりあえず作者が書きたかったものを、ハルヒの名を借りて書いた、という感じ
・強いて言えば、鶴屋さんの情報が少し補完されたくらい
・これが通常通りのサイクルで発売されていれば「前回はがっつりSFだったし、まあこういうのもいいよね」と思えた
「すべては9年。これにつきます」
Cさんのレビュー
・今までのハルヒシリーズに比べるとやや読みづらい
・特に大半を占める長編が、鶴屋さんから送られてきたと思しい叙述トリック&日常の謎系ミステリなのだが、謎はわかりやすい上にいまいち釈然としない
・作中にそれほど目新しくないミステリ論議が挿入されている点もアマチュア色を強めてしまっている
Dさんのレビュー
・本編はほとんど進まず、キャラや世界観に重きを置いたファンディスクのような作品
・永い間待っていたファンとしては、多少のじれったさを感じた
・今回のメインストーリーである「鶴屋さんの挑戦」はミステリ好きには楽しめる作品
・一方、鶴屋さんのお話がメインで、SOS団やハルヒの持つ独特な世界観についてはどっぷりと浸ることができず、そこが少し残念
・箸休めのストーリーとしては楽しめた
ハルヒとSOS団が久しぶりに見られたと喜ぶ一方、ストーリーはほとんど進まず、外伝のような作品で9年も待たされたファンとしてはガッカリ。9年のブランクでミステリーの質も落ち、読みづらくなっているようだ。
作者はもう本編の続きを書けないんじゃないかと落胆する声もあり、その一方で続きを期待する声もみられた。
星2レビューも見てみたが、過去作のような充実感はなく、9年のブランクを埋めるほどの感動もなかったと酷評。「作者が小遣い稼ぎに書いたのではと疑ってしまう残念な内容」「『ハルヒ』はすっかり後方に退いてしまった」などと批判するものとなっている。
公式によると、涼宮ハルヒの直観は予想をはるかに上回る売り上げとのことだが、元々の出荷が少なかったのではないか。この段階で鬼滅の刃みたいにコラボを連発して爆死しないことを祈るばかりだ。