昨夜、札幌市豊平区で爆発があり、居酒屋や隣接する不動産仲介業者の店舗などが倒壊した。
結果的に42人が重軽傷を負った大規模爆発事故の原因とは?
札幌市豊平区で爆発事故 42人が重軽傷
16日午後8時半ごろ、札幌市豊平区平岸で爆発があり、居酒屋の建物が燃えました。
(中略)
警察によりますと、この火事で居酒屋の客など42人がけがをして、このうち1人が重傷だということです。
警察と消防が現場の状況を調べています。
現場は札幌市の中心部から南東に3キロほど離れた、住宅や飲食店などが建ち並ぶ地域です。
爆発時の様子について
◆現場近くのマンションに住む男性
窓に背を向けて、いすに座っていたところ、突然大きな音がして、いすから放り出されたようになった
すぐベランダに出て外を見ると、マンションの近くの道路の真ん中から2メートルほどの高さの炎が出ているのが見えた
そのあと、そばの壊れた建物からも火が出るのが見えた
部屋の中はガラスの破片が散らばり歩いて出たので両足を切るケガをしたほか、骨折もした◆爆発があった居酒屋で働く女性の姉
「当時のことを詳しく覚えていないようだが、『2階から飛び降りろという指示があったので飛び降りた』と話していた。足の骨を折ったようだが、命に別状はなかったのでよかったです」
◆子どもと一緒に避難してきた母親
今まで聞いたことがないような大きな音がして最初は地震かと思った。家のガラスは割れ、外に出てみたら家の裏にあったビルが跡形もなくなっていてガスのような臭いがした。不安になって子どもたちと一緒に急いで逃げてきた
12月16日配信「NHK NEWS」より
事故後の影響は
◆避難所を開設
現場近くの「平岸まちづくりセンター」で避難所が開設
⇒40~50人が訪れるも、災害用の毛布は10枚ほどのみ◆およそ240戸が一時停電
北海道電力によると
・現場周辺では午後10時すぎから、およそ240戸が停電
⇒現在は復旧・爆発で吹き飛んだ建物の屋根の部分が電線に引っかかったことが原因
12月16日配信「NHK NEWS」より
重傷は不動産会社従業員の男性
12月16日配信「時事通信」によると
重傷は不動産会社従業員の30代男性で、顔にやけどを負った
負傷者には子どもも2、3人含まれる
事故現場の地図
▼この爆発事故で(左から)「ひらぎしケア 鍼灸(しんきゅう)整骨院」「海さくら 平岸店」「アパマンショップ 平岸駅前店」が倒壊
▼現地近くにある「ロイヤルホスト 平岸店」も木っ端微塵に
ロイホぐちゃぐちゃ😱
近くで爆発😨😨😨
息子と彼女とロイホに居たけど何が起きたの?? pic.twitter.com/d0NGObEyKu— タムミー@LOVEエスポラーダ (@Pr9If) 2018年12月16日
爆発の原因は
建築防災学の専門家・東京理科大学名誉教授の菅原進一氏によると
一番考えられるのはガス爆発
調理場付近から爆発したのではないか
他の爆発の原因になるようなものは、このような料理店の場合ではあまり考えられない(また)ガソリンが気化をして爆発したり、(店が)LPガスか天然ガスかわからないですが、一緒に爆発することもありえます
12月16日放送「Mr.サンデー」より
アパマンショップが火元か 従業員がガス抜き作業をしていた!
(居酒屋の隣の)不動産仲介会社の従業員が「スプレー缶100本以上に穴をあける作業をした後、手を洗うために給湯器を使おうとしたところ爆発した」などと説明していることが新たにわかった
▼店の裏手にはプロパンや灯油ホームタンク
焼死体が映っていた?
ここでは紹介しないが、一部報道で焼死体が映っていたそうで、その画像が拡散されている。
テレビ朝日(12月16日配信)によると、6人と連絡が取れていないという。
現時点で死者はいないそうだが、これだけ大規模の爆発事故となると、まだ発見されていない遺体もあるのかもしれない。
渋谷温泉施設爆発事故と同規模?
札幌市豊平区の爆発事故を受け、2007年に起きた「渋谷温泉施設爆発事故」(松濤温泉シエスパ爆発事故と呼ばれることも)を思い出す声がみられた。
渋谷温泉施設爆発事故とは
・2007年6月19日、東京都渋谷区松濤(しょうとう)の女性専用会員制温泉施設「松濤温泉シエスパ」の別棟で発生した大規模なガス爆発事故
・爆発によって施設の別棟が骨組みだけを残して全壊し、周辺の住宅やビルなどでも、爆風や飛散した瓦礫で窓ガラスが割れたり屋根瓦が吹き飛んだ
・女性従業員3人が死亡し、一緒にいた別の女性従業員2人が重傷、通行人の男性が爆発に巻き込まれ重傷、周辺の住宅やビルなどでも割れたガラスで数名がけがを負った
・施設には温泉から天然ガスを分離する装置が設置されていたが、天然ガスを屋外に排出するためのU字状の排気管が結露した水で塞がれたことと換気扇の稼働に問題があり、天然ガスが別棟内部に逆流・蓄積
⇒温泉の汲み上げを自動調整する制御盤のスイッチが動作した際に出た火花が触れたことによって爆発したと結論
⇒ガス検出器が設置されていなかったことも、爆発に至った大きな要因
裁判で施設の設計を行った大成建設の社員に有罪判決
| 2008年 | 警視庁は設計・施工を行った大成建設の空調設計担当者と施設運営を行っていたユニマット不動産の取締役と社員の計3人を業務上過失致死傷容疑で書類送検 |
| 2010年 | 東京地検は大成建設の空調設計担当者とユニマット不動産取締役の2人を業務上過失致死傷類罪で在宅起訴、ユニマット社員を嫌疑不十分で不起訴 ユニマット不動産が施設の設計・施工に携わった大成建設を含め4社に対し、105億円の損害賠償を求める訴えを起こした |
| 2013年 | 大成建設の空調設計担当者に懲役3年、執行猶予5年の判決 ⇒ユニマット不動産の取締役は無罪 |
▼当時の動画


