4月18日に公開された劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」。今年でコナン映画29周年を迎え(コナン映画は1997年から毎年やっていたが、2020年は新型コロナウイルスの影響で唯一上映なしだった)、今作で28作目を迎えた。
そんなコナン映画だが、普段からコナンのアニメや映画を観ていない人が劇場版に足を運ぶケースが結構多いのだそう。これは今作に限らず、少なくともここ数年のコナン映画でかなり増えているという。
コナン映画は宮崎駿監督によるジブリ作品や新海誠監督作品といった過去作と直接的なつながりはない(過去作の小ネタくらいはあるだろうが)単発映画と異なり、アニメや原作漫画、映画の外伝ストーリーとなっている。
2014年公開の「異次元の狙撃手」以降は原作ですら明かされていない衝撃の真実が明かされたり(異次元の狙撃手では、原作でも明かされていなかった沖矢昴=赤井秀一が初めて明かされた)、
アニメでは未登場のキャラが映画で先行して登場したり(2017年公開の「から紅の恋歌」に登場した大岡紅葉はすでに原作に登場していたが、アニメより先に映画で初登場を果たした)、
原作回の後日談(2022年公開の「ハロウィンの花嫁」はアニメ304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」の後日談)や原作回のワンシーンが使われるなど、原作とリンクした内容が多く、原作を観ていないと分からない内容も増えている。
そんなコナン作品を普段から観ていない人が劇場版に足を運ぶ理由とは。筆者なりに考察してみた。
ズバリ、みんなが観てるから観てる説
ネットの書き込みをもとに数日考えてみたが、やはり「みんなが観てるから観てる」説しか思い浮かばなかった。
人間は人が集まっている所に集まる習性がある。ネットでも、Xのトレンドに連日、コナン映画関連のキーワードがトレンド入りしており、多くの人が話題にしている。
▼今日も「上原由衣」「大和敢助」「降谷さん」「風林火山」「#セブン隻眼の残像ハンガー」「諸伏高明」などがトレンド入りしている
コナン映画は毎年、多くの人が観に行っているが、既存ファンは毎年のGWにコナン映画を観ていくという習慣がつき、それが続いているから既存ファンは減らず、新規ファンがどんどん増えているのだと思われる。
それが毎年続き、ついに興収億クラスに膨れ上がったのではないか。
現に、ネットではこういったコメントがある。
言い方はあれだがその年がとんでもねえ悪い出来の作品だったとしても翌年も見に行くと思う もはや初詣感覚
映画のメインキャラ云々じゃなくて、「コナンの映画は毎年観るもの」という習慣が身に付いた人も多くなったよね
コナンという作品にそこま思い入れがなくとも、なんとなく見てしまうと最後まで見れてしまうエンタメとしての総合力が凄い。
コナンの映画見てない奴は仲間外れにされちゃうってSNS中毒の怖い所
この2日間で周りの友達、8人ほど見に行ったて聞いたわ!!(みんな別々で)
去年の映画もコナンをあまり知らなくても、誘ったら来てくれた!!みたいな人が多かったなー連載、劇場版制作を続ける限り、惰性で見てる人もいるだろうが、向こう10年は安泰のコンテンツじゃないか。
映画の内容が「良かった」とか評価されたから増えたのではないと思われる。
コナン映画は年々クオリティが上がってきているが、1997年公開の第1作「時計じかけの摩天楼」から2013年公開の第17作「絶海の探偵」までの17年間、行っても興収30億台どまりだった。もちろん、この17作品の中でも名作は多数ある。
そんなコナン映画は異次元の狙撃手で初の興収40億台を突破。2024年公開の「100万ドルの五稜星」で5倍の158億円に膨れ上がった。なお、100万ドルの五稜星の評価自体は2023年公開の「黒鉄の魚影」に比べると低く、歴代でもめちゃくちゃ評価が高いというわけでもない。
毎年のGWはコナン映画以外にキラータイトルがほぼないのも、コナン映画に一転集中する原因となっている。キラータイトルがないのは、誰もコナン映画に勝てるわけがないと確信しており、意図的に避けている節もある。