映画「名探偵コナン 隻眼の残像」の序盤、毛利家のリモコンがなくなるシーンがある。スマホのアプリでリモコンの代わりにするのだが、エピローグで見つかっている。
これについて、何らかの伏線があったのではないかと考察されている。この記事では、SNSで挙がっている5つの説を紹介するとともに、どれが正解なのか迫りたい。
隻眼の残像のリモコン5考察
考察1.リモコンがなくなるのは、今回は眠りの小五郎をやらないという伏線
眠りの小五郎はコナンが時計型麻酔銃で小五郎を眠らせ、蝶ネクタイ型変成器を使って推理する。小五郎の推理として真相を解き明かすので、コナンが小五郎をリモコンのように操っているとも言える。
リモコンがなくなったとき、コナンはリモコンを探すように催促するが、テレビとリモコンはお互いがパートナーであるように、小五郎とコナンも眠りの小五郎としてのパートナーであり、失っては困るから探してほしかった。
リモコンが見つかったのは、コナンに再び推理を預けるという伏線。
考察2.なくなったリモコンは失われた思い出のメタファー
ワニから電話がかかってきた時、小五郎はワニの苗字である「鮫谷」に心当たりがなかった。小五郎にとって、ワニは過去の「なくしていた思い出」。だから、この時点でリモコンもどこかへ行ったまま。
エピローグで、小五郎はワニの地元が鳥取だと思い出し、思い出の写真もどこからか見つけ出している。ワニとの思い出を取り戻した時、なくしていたリモコンもどこからか出てきた。「リモコンをなくしがち」という日常を、記憶や思い出と結びつけた表現だった。
考察3.リモコンがなくなったのは、小五郎の裏の活躍を隠す伏線
警察官を辞めて民間人となった小五郎が銃を使ったのは、表向きには隠さないといけないこと。リモコンは見つかったが、誰が見つけたのかは描かれておらず、これは「小五郎が実はやっていたこと」とリンクしている。
考察4.リモコン=小五郎が銃を使う伏線
リモコンはテレビに向けて押さないと起動しないので、小五郎が拳銃を使うという伏線。リモコンが見つかったことで、銃を使うような非日常から日常に戻ることを示している。
考察5.スマホアプリのリモコン=コナンの推理、本来のリモコン=小五郎の推理
小五郎はスマホアプリのリモコンを「楽で良いな」と言い、コナンはリモコンを探すように催促した。これは便利なスマホアプリみたいなコナンの推理ではなく、ちゃんと自分で推理しろという伏線だった。
まず、考察1の「リモコンがなくなるのは、今回は眠りの小五郎をやらないという伏線」は違うと思う。なぜなら、映画では眠りの小五郎をやる方が珍しいからだ。
最後に眠りの小五郎をやったのは2023年公開の「黒鉄の魚影」。ピンガが誰に化けているのか、そしてピンガの犯行を暴いた。
テレビリモコンは仮になくなっても、市販されているリモコンを買えば再び使うことができる。つまり、代わりはいくらでもあるのだ。そのため、小五郎とコナンのように、失っては困る存在ではない(リモコンはなくしたら新しいものを買わないといけないというめんどくささはあるが)。
考察3の「リモコンがなくなったのは、小五郎の裏の活躍を隠す伏線」だが、小五郎が銃を使ったのを隠すためだとしたら、なぜ最後にリモコンが見つかったのか。この説だと、小五郎が銃を使ったことも明るみに出てしまうのではないか。
考察4の「小五郎が銃を使う伏線」について、リモコンが見つかったことで、銃を使うような非日常から日常に戻ることを示しているということだが、毎日のように殺人事件に遭遇するのは果たして“日常”だろうか。確かに、犯罪都市・米花町の日常ではありそうだが…。
考察5の「スマホアプリのリモコン=コナンの推理、本来のリモコン=小五郎の推理」だが、今回は眠らないで推理したと言っても、基本的にはコナンのメールを読んだだけだ。2005年公開の「水平線上の陰謀」のように、ほとんどを自分で解き明かしたわけじゃない。
個人的には、考察2の「なくなったリモコンは失われた思い出のメタファー」説が有力だと思う。リモコンがなくなったのはワニが殺される前のことだ。事件解決後、ワニのルーツを思い出し、そのタイミングでリモコンが出てきた。
リモコンも記憶もふとしたきっかけで見つかったりする。そういうところを結び付けたのではないか。これは今作のタイトルになっている「フラッシュバック」ともリンクする。
大和のフラッシュバックは失われた事件の記憶だったが、小五郎のフラッシュバックはなくなったリモコンとワニとの思い出だったのではないか。そうなると、リモコンを見つけたのは小五郎ということになる。
▼隻眼の残像×King Gnu「TWILIGHT!!!」スペシャルムービーに例のシーンが!