3人組ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE」の新曲「コロンブス」のMVが炎上。Xでは「ミセス炎上」がトレンド入りしている。
ミセス炎上の検索結果を見ると、インプレゾンビで埋め尽くされており、なぜ炎上したのかよく分からない感じとなっている。
この記事では、ミセス炎上の理由について紹介したい。
ミセス新曲「コロンブス」はなぜ炎上?
ミセスのコロンブスはコカ・コーラ「Coke STUDIO」のキャンペーンソング。MVは大森元貴がコロンブス、若井滉斗がナポレオン、藤澤涼架がベートーヴェンといった偉人たちに扮し、もしも生きた時代の異なる偉人たちが一緒に旅をしたら?という想像の物語が描かれる。
左から藤澤涼架=ベートーヴェン、大森元貴=コロンブス、若井滉斗=ナポレオン
旅の道中では、500万年以上もの時を越えて出くわした類人猿たちとのホームパーティーも。ユーモアに富んだ、ドタバタワチャワチャ劇が繰り広げられる。
そんなストーリーだが、主にMVの映像に批判が集まっている。
問題点はいろんなユーザーからいくつか挙げられているが、このユーザーが最初から詳しく説明しているので紹介したい。
ので、以下に書くことはすべて「制作者の意図と異なりこう見えてしまう」という話になります。主に3つのトピックについて触れていきます。
1;植民地主義と奴隷制の肯定
冒頭、コロンブスとエジソンとナポレオンは南海の島で(0:01)暮らしている類人猿を「発見」します(0:16)。史実上コロンブス
— 唐木元 (@rootsy) June 13, 2024
※エジソンではなくベートーヴェン。のちに本人が訂正
類人猿に引かせている(0:30)さまは、使役される先住民の姿を強く連想させます。
またナポレオンが類人猿に軍隊的敬礼を教えるシーンがあります(1:45)。これは南北アメリカ大陸において奴隷が労働力としてのみならず兵力として使役された史実を想起させます。
2:ヨーロッパ中心主義の肯定
PV中
— 唐木元 (@rootsy) June 13, 2024
ており、どの文化もそれぞれに尊重されてしかるべきと考える文化相対主義の見地からは批判されるものです。
0:54にはヨーロッパ人と類人猿たちとの写真撮影シーンがあります。植民地においては現地人や奴隷を従えたヨーロッパ人の記念写真や肖像画が多く残っており、また写真は進んだ西欧文明の象徴で
— 唐木元 (@rootsy) June 13, 2024
特に、先住民を類人猿に例え、ピアノや乗馬、天文学などを教えたり、人力車を引かせる様がまさに奴隷で、植民地支配と奴隷制の肯定だと他のユーザーからも問題視されている。
コロンブスは1970年代ごろ、アメリカを中心にカリブ海諸国における奴隷制という仕組みを発明した張本人であるからなおさらだ。
ただ、最初にも言った通り、先住民を猿に例えているわけではなく”500万年以上もの時を越えて出くわした類人猿たち”という設定で、人力車を引かせているのは奴隷商人のコロンブスではなくベートーヴェンだったりする。
今回の炎上はこういったデマが拡散されたのも火種が大きくなった原因と思われる。そのため、擁護の声も少なくない。
何でもかんでも必要以上に
過敏に反応しすぎな気もするけどなぁ…
本人たちにその意図があったかどうかもわからないし
バカにしてるという見方がある一方で
他の見方もあるだろうけどね…なんでこれで馬鹿にしてるになるんやろ
仕事を与え、文化・技術を伝えてるようにしか見えない
京都などの人力車は奴隷なんか?w本物のコロンブスは先住民を教育すらせず
先住民の村ごと持ち込んだウィルスで
まず病気にかからせ
弱ったところで村ごと大虐殺していたので
このMVは生ぬるいこんなしょうもないことで騒いでバカみたい
そもそも表現の自由ってのがあるんだから、むしろ批判してる評論家気取りの害悪のがやってることクソだわ
なんで映像だけを素直に楽しむってのが出来ないんだろうね別にコロンブスだけじゃないし、大陸発見した時の猿じゃないんだよなぁ
過剰反応しすぎじゃね?
MV非公開に
今回の炎上を受け、ミセスは公式ホームページでコロンブスのMVについて、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」ため、公開を停止すると告知。「当社における公開前の確認が不十分であり、皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫びします」と謝罪した。