4月12日公開の映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」からすでに2週間が経過した。今週月曜に発表された最新の興行収入は65億円で、前作に上映された興行収入138億円で歴代1位の黒鉄の魚影を超える勢いを維持しており、今年も興行収入100億円が期待されている。
そんなコナン映画だが、”基本的”には入場者特典はついていない。
一方、近年のアニメ映画は入場者特典をつけるのが当たり前で、特にジャンプ映画は同時に複数種類を展開するコンプ特典、次の週では特典が変わる週替わり特典といった特典商法で来場者を釣りまくっている。ジャンプ映画「鬼滅の刃 無限列車編」が興行収入404億円で歴代1位になったのも、特典商法のおかげである。
コナン映画が特典商法に手を染めない理由とは。これをクエスチョンしたYahoo知恵袋の回答に興味深いものがあったので紹介したい。
コナン映画が特典商法に手を染めない理由
Yahoo知恵袋「アニメ・コミック」カテゴリー9位にランクインしたこの質問。4月20日に投稿され、7日経った現在、15件の回答が寄せられている。
回答欄には「無くて良い派です。映画を鑑賞するのが目的なので、特典に魅力を感じません」「大変だし今更そんなのつけなくても一定数人入るから大丈夫だろ的な意図はありそうですけどね」「特典がなくても、 集客が見込めるから」といった投稿が寄せられる中、ベストアンサー認定したい投稿があった。
「毎年必ず映画があるから」。これがコナン映画が特典商法に頼らなくても興行収入を稼げる秘訣ではないか。
毎年やっていれば、特典をつけなくてもリピーターは見に来る。逆に、ジャンプ映画はジャンプ王ONE PIECEですら毎年上映しているわけではなく、興行収入を稼ぐには特典商法やAdoといった旬のアーティストで釣る必要があったわけだ。
別の例えとして、YouTubeなどの毎日更新がまさにそれだ。今や、YouTubeは毎日更新することが当たり前となっており、毎日更新されているチャンネルは自然とリピーターが増えるが、不定期更新のチャンネルは次第に登録者数と再生数が減っていく。
前者は、例えば人気YouTuberクラスになれば、どんな動画を出しても数十万再生は見込める。一方、後者はそうもいかず、減った数字をガツンと増やすには、視聴者を大量に釣る”何か”をやる必要があるだろう。
しかし、目先の数字に囚われ、炎上商法に手を染めてオワコンとなっていくYouTuberも後を絶たない。
毎日更新は当たり前となっているが、毎年上映してる作品は国民的アニメでもコナン、ドラえもん、クレしん、プリキュアなどごく少数だ。これを実行しつつ、毎年クオリティの高い作品を出し続けているコナン映画は自然にリピーターが増えていくのだろう。
コナン映画とジャンプ映画について、もう一つ補足すると、コナン映画は4月の上映から7月中旬の3ヶ月程度が多い。シリーズ興行収入1位の黒鉄の魚影でも10月までの半年しか上映されなかった。
一方、ジャンプ映画は1年近くやっている作品が多い。無限列車編は2020年10月から2021年7月までの9ヶ月上映だった。興行収入158億円を記録した「THE FIRST SLAM DUNK」は2022年12月から2023年8月までの8か月上映だった。
特典商法に頼らず、短い上映期間で毎年結果出しているコナン映画。凄すぎないか。