5月1日より、ポケモンSVランクマ・レギュレーションGがスタートする。レギュレーションGは禁止伝説1匹のみ構築に入れることができる。
レギュレーションGは9月1日までと、レギュレーションF同様4ヶ月開催となる。つまり、PJCS決勝大会とWCSはこのレギュレーションで開催される。
4月21日開催のPJCS本選で見事、決勝大会の切符を手に入れた人は、特にこのレギュレーションで勝ちに行く必要がある。しかし、どの禁伝を入れるのか悩んでいる人もいるだろう。
そこで今回は、普段あまり作らないが、禁伝のキャラランクを独断と偏見で決めたので紹介したい。
レギュレーションGダブルキャラランク
▼以下、各ランク解説
Rank S:禁伝環境トップメタ候補
Rank A:Rank Sに続く強さ
Rank B:ワンチャンありそう
Rank C:シングルのほうが強そう
Rank D:明らかにパワー不足
Rank E:下位互換なので使う価値なし
全てを紹介するのは尺が足りないので、今回はワンチャンあるランクBまで解説したい。
グラードン
タイプ:じめん
種族値:HP100-攻撃150-防御140-特攻100-特防90-素早さ90(合計670)
特性:ひでり(戦闘に出ると5ターンの間、天気がにほんばれになる)
グラードンはこのあと説明するミライドンに強いじめんタイプだ。とつげきチョッキを持たせることで、ミライドンのドラゴン技にも強くなる。
また、ひでりによってじめんタイプでありながらみずタイプに弱くない。ただそれでも、対のカイオーガのみず技は実質等倍でも受けきれず、晴れ下でも押し負けることが多かった。
しかし、SVではテラスタルがある。テラスタルでみず技が等倍以下になるタイプになれば、カイオーガに勝つことも可能だ。
みず技の通りが悪くなればグラードンのほうが強いというのは過去作で証明されており、ゲンシカイキが存在したORASからUSUM環境において、ゲンシグラードンの特性「おわりだいち」を維持できればみず技を無効化できるということで、使用率ではグラードンが上だった。
▼USUMレート・シーズン18ダブル(禁伝2匹使用可能)の使用率トップ30
テラスタイプはにほんばれの恩恵を受けられるほのおにしたいところだが、それだとみず技が弱点のままなのではがねがおすすめだ。はがねテラスはみず技等倍、こおり技を半減でき、さらにヘビーボンバーの威力が強化される。
全ポケモン中2位の重さ950により、ほとんどのポケモンに最高威力120を叩き出せ、はがねテラスで威力180となる。単体火力としては、ダブルダメージで威力130となるだんがんのつるぎを超え、サブウエポンとしては優秀すぎる技だ。
カイオーガを強く意識するならでんきも悪くない。カイオーガ以外のみずタイプへの打点を確保でき、じめん技を無効にするひこうタイプにも弱点をつける。
ミライドンのハドロンエンジンによるエレキフィールドによってでんき技の威力が上がるため、でんきテラスは来期以降、需要が高まると思われる。でんきタイプであれば、ミライドンのでんき技も半減できる。
でんきテラスが増えれば、でんきタイプに強いじめんタイプのグラードンはなおさら需要が高い。
ミライドン
タイプ:でんき・ドラゴン
種族値:HP100-攻撃85-防御100-特攻135-特防115-素早さ135(合計670)
特性:ハドロンエンジン(戦闘に出ると5ターンの間、場の状態をエレキフィールドにする。場がエレキフィールドの時、特攻が1.33倍になる)
ミライドンはでんきとドラゴンの複合タイプで、レギュレーションF・シーズン17ダブルで使用率6位のタケルライコと同じだ。
種族値は特攻および素早さが135と一番高く、特に素早さはレギュレーションF環境でブーストエナジーやこだわりスカーフといった道具の補正なしでもっとも早いハバタクカミおよびパオジアンと同じだ。シングル以上に先手の重要性が高いダブルにおいて、素早さは非常に大事な部分だ。
ハドロンエンジンは、同シーズンダブルで使用率5位のゴリランダーのエレキフィールド版に加え、ターン制限があるフェアリーオーラおよびダークオーラの効果を合わせもつ。
このように、強いポケモンたちの要素をこれでもかってくらいもっており、そんなミライドンが弱いはずもなかろう。剣盾の禁伝環境ではザシアンがもっとも使われていたが、SVではミライドンが覇権を握るのではないか。
グラードンでも触れたが、エレキフィールドの環境入りで、これまであまり使われなかったでんきテラスが増える可能性も。レギュレーションFでは使用率トップ30にテツノカイナしかランクインしていない未来ポケモンも増えることだろう。
単体性能だけでなく、ミライドンの台頭で環境が大きく変わることは確実で、禁伝の期待を一身に背負っているポケモンと言える。
カイオーガ
タイプ:みず
種族値:HP100-攻撃100-防御90-特攻150-特防140-素早さ90(合計670)
特性:あめふらし(戦闘に出ると5ターンの間、天気があめになる)
特攻150からの雨しおふきは単純に強く、ダブルダメージでも最大威力253というぶっ壊れっぷり。しかも、SVではテラスタルでさらにみず技の威力を上げられ、この時のしおふきは最大威力337。しおふき打ってるだけでバトルが終わるレベルだ。
しかし、SVではグラードンがテラスタルという対抗策をつけてきたし、ミライドンにめっぽう弱く、ミライドンの影響によってでんきテラスが増える可能性もあるため、剣盾ほどの活躍は難しいだろう。
黒バドレックス
タイプ:エスパー・ゴースト
種族値:HP100-攻撃85-防御80-特攻165-特防100-素早さ150(合計680)
特性:じんばいったい(きんちょうかんできのみが食えなくなり、さらにくろいのいななきで相手を倒すたびに特攻が1段階上がる)
特攻165からのアストラルビットが強力。この技は相手全体攻撃となり、ダブルノックアウトした場合、くろのいななきで特攻が一気に2段階上がる。
素早さ150は激戦区135を余裕で上回っている。シングルでは黒バドかコライドンが覇権を握るのではないかと言われている。
そんな黒バドだが、ダブルでは天敵のガオガエンやパオジアンが来期以降も使用率1桁台に入ると思われ、シングルほどの強さはないとみられる。
剣盾初の禁伝1匹ルールだったシーズン15では、ガオガエンが使用率1位、一撃ウーラオスが使用率7位、オーロンゲが使用率12位となり、その一方で黒バドは使用率21位だった。
ゴーストタイプとしては、ガオガエンやパオジアンに弱すぎず、使用制限もないハバタクカミのほうが選ばれるのではないか。ハバタクカミはブーストエナジーを持たせるか、にほんばれで素早さが上がれば、黒バドを抜くことができる。
一応、黒バドにこだわりスカーフを持たせれば、ハバタクカミを再び抜くことができるが、きあいのタスキを持たせなければ、ふいうちで縛られることとなる。
そのため、使うとしたらスタンよりも、イエッサン♀と組ませたほうが、SVで無事続投したワイドフォースが強化され、ふいうちを受けなくなる。
レックウザ
タイプ:ドラゴン・ひこう
種族値:HP105-攻撃150-防御90-特攻150-特防90-素早さ95(合計680)
特性:エアロック(全てのポケモンに対しての天気の影響がなくなる)
レックウザは攻撃150ということで、カイリューの攻撃134を超えるしんそく使いだ。やはり、ノーマルテラスしんそくが流行りそうだが、レックウザの特性はエアロックなため、せいしんりょくでいかくを受けないカイリューはもちろんこと、エンテイにも火力で劣る。
差別化を図るなら、こだわりハチマキを持たせるよりも、きあいのタスキを持たせ、専用技「ガリョウテンセイ」のBDダウンのリスクもカバーしつつ、カイリューやエンテイは覚えないつるぎのまいを安全に積みたい。
攻撃が2段階上がれば、いかくで1段階下がっても1段階上がったまま。こだわりハチマキを持たせたカイリューやエンテイと同等の能力アップとなるが、攻撃種族値が上回っているため、火力はレックウザが上だ。
しかし、ノマテラしんそくは対策が容易であることから、流行っても最初だけの可能性も。現に、カイリューとエンテイのノマテラ型はレギュレーションF最初の1ヶ月はかなり多かったが、4ヶ月目の最終シーズンではあまり見なくなった。こういった事情から、ランクBに落ち着いた。
ノマテラ型だとサブウエポンになることが多いひこう技だが、カイリューの物理ひこう技はつばめがえしくらいしかなく、それ以上の火力を求めるならひこうテラスからテラバーストするしかなかった。
一方、レックウザの物理ひこう技は威力120のガリョウテンセイが最高威力で、しかもカイリューのひこうテラバーストを超える火力である。
レックウザの別の型としては、カイリューのほかの型としても台頭したダイススケショ型だったり、特攻も150あることから、メテオビーム搭載の特殊型などが挙げられる。ただ、ノマテラ型に比べるとパワー不足だろう。
エアロックによる天気メタも地味に強い。これはこだいかっせいの”にほんばれによる発動”も防げる。
レギュレーションFダブルの時点でも天候パは強いが、禁伝環境だとグラードンやコライドン、カイオーガといった単体性能が高い天候特性が使える。また、来期以降も多いハバタクカミをはじめとするこだいかっせいの発動も一部制限できるのは馬鹿にできない。
ホワイトキュレム
タイプ:ドラゴン・こおり
種族値:HP125-攻撃120-防御90-特攻170-特防100-素早さ95(合計700)
特性:ターボブレイズ(相手の特性の影響を受けずに攻撃できる)
レギュレーションFの3ヶ月目、アローラキュウコンとフリーザーをはじめとする雪パが流行ったため、レギュレーションGでも雪パが流行るかもしれない。だとしたら、アタッカーは特攻170あるホワイトキュレムが抜擢されるのではないか。
しかし、雪パは月末には数を減らし、4ヶ月目にはフリーザーが使用率トップ30位圏外となったので、レックウザ同様、最初だけかもしれない。
王ザシアン
タイプ:フェアリー・はがね
種族値:HP92-攻撃150-防御115-特攻80-特防115-素早さ148(合計700)
特性:ふとうのけん(最初に戦闘に出た時に自分の攻撃が1段階上がる)
剣盾の時はシングルもダブルも禁伝で一番使われていたが、SVでは攻撃種族値が20下がり、ふとうのけんは最初の1回しか発動しなくなった。ふとうのけんが1回しか発動しなくなったことで、いかくにめちゃくちゃ弱くなった。
専用技「きょじゅうざん」はダイマックスが消えたことで通常攻撃となり、全体的に大幅なナーフを受けた。
とはいえ、素早さ148は激戦区135を上回っているほか、レギュレーションF使用率トップ30にいないフェアリーとはがねの物理アタッカーということで、そこそこ需要はあるはずだ。
ザマゼンタ
タイプ:かくとう
種族値:HP92-攻撃120-防御115-特攻80-特防115-素早さ138(合計660)
特性:ふくつのたて(最初に戦闘に出た時に自分の防御が1段階上がる)
剣盾では誰も使わなかったが、SVでは素早さ138が激戦区135を超えていることから、このあと紹介する盾の王とは差別化した型で使える。
具体的にはワイドガード、とおぼえorコーチング、バークアウト、といった前作の王ザマゼンタで使っていた技をこちらで採用する。こだいかっせいが発動していないハバタクカミやパオジアンの先手をとれるからだ。
レギュレーションFで使用率18位のウガツホムラのとおぼえサポートに近いが、ザマゼンタはブーストエナジーで素早さを上げなくてもハバタクカミやパオジアンを抜き去り、ワイドガードやコーチングといった優秀なサポート技を覚え、ウガツホムラよりもサポート性能が高い。
王ザマゼンタ
タイプ:かくとう・はがね
種族値:HP92-攻撃120-防御140-特攻80-特防140-素早さ128(合計700)
特性:ふくつのたて(最初に戦闘に出た時に自分の防御が1段階上がる)
王ザマゼンタのほうが防御が25高いため、SVで新規取得したボディプレスを覚えたてっぺき&ボディプレスが強力だ。
SVでのザマゼンタは2つのフォルムが使い分けられるので、ザシアンより強いと思う。ただ、貴重な禁伝枠をザマゼンタにするかと言われると微妙ではある。
白バドレックス
タイプ:エスパー・こおり
種族値:HP100-攻撃165-防御150-特攻85-特防130-素早さ50(合計680)
特性:じんばいったい(きんちょうかんできのみが食えなくなり、さらにしろのいななきで相手を倒すたびに攻撃が1段階上がる)
剣盾では威力130だった専用技「ブリザードランス」だが、SVでは威力120になった。一方、対の黒バドのアストラルビットはノータッチであり、ウーラオスのあんこくきょうだのみナーフされた件と通じる。
それでも、攻撃165からのブリザードランスは強力で、アストラルビット同様、相手全体攻撃となり、ダブルノックアウトした場合、しろのいななきで攻撃が一気に2段階上がる。
しかし、エスパーとこおりの複合タイプは弱点6つに対して抵抗2つと非常に弱く、素早さ50かつ先制技覚えずということでトリックルームによる素早さ操作は必須だ。
SVでは、のろいを新規取得。最遅にしたうえでトリル下で1回打つだけで、攻撃と防御を上げながら、最遅モロバレルくらいなら抜くことができる。
コライドン
タイプ:ドラゴン・かくとう
種族値:HP100-攻撃135-防御115-特攻85-特防100-素早さ135(合計670)
特性:ひひいろのこどう(戦闘に出ると5ターンの間、天気がにほんばれになる。天気がにほんばれの時、攻撃1.33倍になる)
素早さ135は激戦区と同じで、ひひいろのこどうはにほんばれ+攻撃アップで非常に強力だが、にほんばれで相手のハバタクカミのこだいかっせいまで発動してしまい、しかもドラゴンとかくとうの複合タイプはフェアリー4倍かつ打点がない。
レギュレーションGは禁伝1匹のみであり、各々使う禁伝が異なることから、禁伝が使用率1位にくることはないだろう。そのため、来期以降もハバタクカミが使用率1位になることが予想される。
そんなハバタクカミにめちゃめちゃ弱いというだけで評価を大幅に下げている。
その点、同じにほんばれ要因のグラードンはハバタクカミに強く、ミライドンにも強いのでこちらのほうが評価が高い。
ランクBまでは以上だ。これで終わりと言いたいところだが、最後にテラパゴスをランクDにした理由を紹介したい。
テラパゴス
タイプ:ノーマル
種族値:HP95-攻撃95-防御110-特攻105-特防110-素早さ85(合計600)
特性:テラスシェル(自分の残りHPが最大値の時、タイプ相性のある技を受けると、効果がいまひとつになる)
テラパゴスはフォルムが3つあり、場に出た時はテラスタルフォルムとなるため、まずはこのフォルムから触れたい。
合計種族値600と通常ルールであれば最高値だが、禁伝としては微妙すぎる。テラスシェルも、タイマンのシングルではまだ使い道があるが、2対2のダブルでは集中砲火があるため使いどころが難しい。
続いて、テラスタルフォルムについて触れたい。
タイプ:ノーマル
種族値:HP160-攻撃105-防御110-特攻130-特防110-素早さ85(合計700)
特性:ゼロフォーミング(テラスタルした時、天気とフィールドをリセットする)
テラスタルすると、合計種族値が100増えて700となる。テラスタルというよりメガシンカに近い性能で、最初からこのフォルムで使えたらまだ強かったが、ガルーラなど元が弱いメガシンカ同様、テラスタル前提なのが微妙すぎる。
メガシンカ、Zわざ、ダイマックスと異なり、テラスタルはきるポケモンが固定されず、バトルによって臨機応変に変わる。そのため、シングルもダブルも使用率トップ30はテラスタルしなくても強いポケモンがほとんどだ。
テラパゴスのテラスタイプがステラ固定なのもよくない。
ステラは元タイプと同じタイプは2倍、元タイプと違うタイプは1.2倍となるが、威力が上がるのは最初の1回のみ。しかも、防御タイプは変わらないという使い勝手の悪さから使用率が伸び悩んでいる。
テラパゴスのステラは全てのタイプの威力がずっと1.2倍で、専用技「テラクラスター」は相手全体攻撃となり、ステラタイプなのでテラスタルに弱点をつける一方、元タイプのノーマル技まで1.2倍に下方される。
結果、テラクラスターの威力120はステラ補正とダブルダメージで108となり、テラスタル以外には弱点もつけず、特攻130とそこまで高くないので、火力不足感がいがめない。
ゼロフォーミングによる天気とフィールドのリセットが最初の1回だけというのも微妙すぎる。天候とフィールドの特性は場に出すたびに何回でも発動するのに、なぜこのような効果となったのか。
おすすめ禁伝
グラードン&コライドン→晴れパ(個人的にはグラードンのほうがいい)
ミライドン→スタン
黒バドレックス→サイコフィールドパ
ザマゼンタ→とおぼえorコーチング+物理アタッカー
白バドレックス→トリパ
ちなみに、筆者はスタンパ使いなのでミライドン一択だと考えている。使う禁伝よりも、禁伝によって環境入りする一般ポケモンのほうが気になるところ。むしろ、こちらをしっかり吟味して決めたい。