ポケモンSVランクマ・シーズン16終了まで、本3月28日であと5日あまりとなった。
3月1日からスタートしたシーズン16だが、シングルはともかく、ダブルはあくまで主観だが、SV環境でもっとも上位に行くのが難しいシーズンだと断言する。理由や構築などはこの後に紹介したい。
なぜシーズン16がSVダブル過去最高難易度なのか?
シーズン16は1月4日から開催したレギュレーションFで行われる。レギュレーションDおよびレギュレーションEのように、3ヶ月目にDLCの追加要素があるわけでもなく、2ヶ月目とさほど変わらない環境になると思われた。
ところが、3月初旬に開催された海外の公式大会でアローラキュウコンとフリーザー入りの雪パが優勝。これを受け、ランクマでもこの並びが大流行した。
アロキュウフリーザーは既存のスタンパにめっぽう強く、それまでの構築は全く勝てない”冬の時代”が到来。アロキュウフリーザーに対抗してか、主にコータスベースの晴れパも台頭した。
また、使用率上位ポケモンの主流も変化し、たとえばカイリューはこれまでメインだったこだわりハチマキを持たせノーマルテラスからしんそくをぶっぱする型よりも、いかさまダイスを持たせスケイルショット4回以上確定のはがねテラス型が目立つようになった。
シーズン15の時点でダイススケショ型はそこそこいたようだが、筆者は全く見なかった
シーズン16になると、技にスケイルショットがランクイン。いかさまダイスとはがねテラスは各10%ほど伸びた
ノーマルテラスしんそくはハバタクカミで割かし対処できたが、ダイススケショ型ははがねテラスなうえアイアンヘッドを持っており、むしろハバタクカミは”カモ”である。
ほかにもブリジュラスはとつげきチョッキを持たせじきゅうりょくで防御を上げる両受け型よりも、パワフルハーブを持たせエレクトロビームを溜めなしで打つがんじょう型が目立つようになった。
シーズン15の時点ではがんじょうもパワフルハーブも1割行ってなかった
シーズン16になるとがんじょうとパワフルハーブが各2割を超えた
なお、パワフルハーブ・がんじょう型でも構築にトルネロスなど、天候を雨にするポケモンが入っており、一発目はパワフルハーブで溜めなしか、雨にしてパワフルハーブを温存する立ち回りができる。
このように環境が大きく変わり、レギュレーションF3ヶ月目かつ追加要素なしでありながら、全く違うゲームとなったシーズン16。その一方で、新環境に適応したポケモンだったり構築が使用率などに反映されておらず、何を使ったら勝てるのかよく分からない状態となっている。
シーズン16がSVダブル過去最高難易度になったのは、急な環境変化とその変化にまだ適応しておらず、どうすればいいのか分からないという迷子に陥った結果、勝つのが難しいのだと思われる。
600戦以上やってついに1ページ目に
タイトルや冒頭から、シーズン16は”SVダブル過去最高難易度”と紹介したが、具体的な数字を見ないことには、どのくらい勝つのが難しいのか実感できない人も多いだろう。
そこで、筆者の戦績を見てほしい。結果的に二桁順位、つまりトレーナーランキングの1ページ目に入ったが、それまでにかなりの対戦回数をこなすこととなった。対戦回数は768となっているが、最後に二桁行ったのは145戦くらいなので、それから623戦もやった。
過去のシーズンは100戦そこそこ、多くても200戦から300戦くらいなので、かなり膨大となった。ここまで対戦回数を重ねられる人もそういないだろう。
余談だが、1シーズンでの対戦回数はSVどころかランダム対戦が実装されたBWまでさかのぼっても過去最高だ。したがって、もっともポケモン対戦をした1ヶ月となった。
日数換算だと、正確には覚えていないが、3月12日から始めて28日に2桁到達。結果、16日もかかってしまった。
ポケモンSVにからめるなら、昨年9月に開催された最強ミュウツーソロクリアに4日かかったので、シーズン16ダブルで2桁以上を目指すとなると、最強ミュウツーソロを4回クリアするくらいには鬼畜難易度と言えるだろう。
ランキングを見てみると、過去のシーズンで1桁や2桁いってる人でも、今期は3桁とか4桁がザラにいる。それくらい、今期は勝つのが難しいのだ。
構築紹介
ハバタクカミ
テラスタイプ:フェアリー
持ち物:ブーストエナジー
技:まもる ちょうはつ ムーンフォース こごえるかぜ
性格補正:おくびょう
個体値:31-×-31-31-31-31
努力値:HP146(124)-攻撃×-防御92(132)-特攻155-特防155-素早さ205(252)
いじっぱりパオジアンのアイススピナー高乱数耐え
特性:こだいかっせい
オーガポン
テラスタイプ:ほのお
持ち物:かまどのめん
技:ツタこんぼう グラススライダー じだんだ ニードルガード
性格補正:いじっぱり
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP159(28)-攻撃189(252)-防御105(4)-特攻×-特防117(4)-素早さ158(220)
こごかぜ後、最速Sブーストウガツホムラ抜き
特性:かたやぶり→おもかげやどし
タケルライコ
テラスタイプ:でんき
持ち物:いのちのたま
技:10まんボルト りゅうのはどう じんらい まもる
性格補正:ひかえめ
個体値:31-×-31-31-31-31
努力値:HP201(4)-攻撃×-防御111-特攻207(252)-特防109-素早さ127(252)
いのちのたま×でんきテラス=じんらいで、はがねテラスによりでんき弱点じゃなくなった連撃ウーラオスがH4振り程度なら確定ワンパン
こごかぜ後、準速パオジアン抜き
特性:こだいかっせい
ゴリランダー
テラスタイプ:ほのお
持ち物:とつげきチョッキ
技:ねこだまし グラススライダー ウッドハンマー とんぼがえり
性格補正:いじっぱり
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP207(252)-攻撃178(132)-防御110-特攻×-特防106(124)-素早さ105
A143(無補正60振り)までの耐久型ガオガエンのフレアドライブ高乱数耐え
トルネロスのこがらしあらし(ダブルダメージ)をグラスフィールドの回復込みで高乱数二耐え
C特化Aガチグマのいのちのたま×ノーマルテラス=ブラッドムーン12.5%耐え
特性:グラスメイカー
ウーラオス
テラスタイプ:みず
持ち物:こだわりスカーフ
技:すいりゅうれんだ インファイト アクアジェット とんぼがえり
性格補正:いじっぱり
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:HP176(4)-攻撃200(252)-防御120-特攻×-特防80-素早さ149(252)
特性:ふかしのこぶし
パオジアン
テラスタイプ:ゴースト
持ち物:きあいのタスキ
技:つららおとし ふいうち せいなるつるぎ まもる
個体値:31-31-31-×-31-31
性格補正:ようき
努力値:HP155-攻撃166(204)-防御107(52)-特攻×-特防85-素早さ205(252)
いじっぱりカイリューのスケイルショット5発高乱数耐え
ようきにすることで、カイリューがいじっぱりであればスケイルショット後のSアップでも抜かれない(ミラー&ハバタクカミ意識も)
特性:わざわいのつるぎ
ハバタクカミ
使用率1位のハバタクカミはこだわりメガネ型かブーストエナジー型の二択となるが、今後のスタンにおいてはブーストエナジー型でいいと思う(以後Sブーストカミ)。
Sブーストカミは最速にしないケースも多いらしいが、最速にすることでミラーで確実に先手を取り、こごえるかぜで素早さを下げれば、味方のスカーフウーラオスが続けてSブーストカミを殴ることが可能だ。
また、相手のこごえるかぜで素早さを下げられたり、一度下げるなどして素早さが戻った場合、ミラーやパオジアンに先手を取りやすくなるといったメリットがある。
残った努力値は全て耐久に回した。火力はなくなったが、物理攻撃でも一発は耐えてくれることが多い。
竈門オーガポン
使用率2位のオーガポンはこれまで井戸の面が主流だったが、今後はアロキュウフリーザーに強い竈門の面が多くなるだろう。にほんばれでツタこんぼうの火力を伸び、晴れパにも強い。
グラススライダーはゴリランダーの特性「グラスメイカー」でグラスフィールドにすれば先制攻撃となる。竈門オーガポンの特性「かたやぶり」でリキキリンの特性「テイルアーマー」も無視でき、ダブルで数少ないかたやぶりの見せ場なので個人的には必須だと思う。
じだんだはほのおとくさを半減するほのおへの打点のほか、特にテラスタルをきったミラーで勝ちやすくなる。オーガポンのじだんだは6.4%しか採用されておらず、相手が持っていなければそれだけ勝率が上がる。
性格はアロキュウを抜ける最速にしたいところだが、ようきだと火力が足りないのでいじっぱりとした。足りない素早さはハバタクカミのこごえるかぜで素早さ操作すればいい。
タケルライコ
使用率4位のタケルライコは、とつげきチョッキを持たせたエレキネットとバークアウトのサポート&妨害型、たべのこしを持たせめいそうを積んでいく型が主流で、いずれもフェアリーテラスが多い。
努力値振りはHP種族値125を活かした耐久ベースが多いが、じめん・フェアリー・ドラゴン・こおりなどメジャータイプが弱点となっており、持ち前の耐久力は思ったより発揮されないことが多い。
耐久ベースなため、当然火力は低い。めいそう型は積めば火力出るが、逆に言えば積まないと火力がないし、攻撃技がじんらいとりゅうのはどうしかなく、フェアリータイプにはじんらいしか打点がない。
じんらいは相手が攻撃しないと成功せず、PPからしに来たら何もできない。特にリキキリンがフェアリーテラスをきってきたら、テイルアーマーでじんらいも効かず、その一方でリキキリンは攻撃し放題なので、TODに持ち込まれたら確実に負ける。
タケルライコのフェアリーテラスは読まれやすいというのもネックとなっている。
耐久ベースよりも、種族値でもっとも高いC137を活かした瞬間火力型のほうが強いと感じた。
であれば、持ち物の使用率として3番目に多いブーストエナジーを採用したいところだが、いのちのたまにすることで相手がにほんばれしてくれれば、特性「こだいかっせい」でさらに特攻が上がる。晴れパが増えており、タダ乗りの機会も多い。
C特化207から放たれるいのちのたま(威力1.3)×こだいかっせい(特攻1.3)×でんきテラス10まんボルト(威力180)は特防が高いハバタクカミやHP振りガオガエンすらワンパンできる破壊力を持つ。
耐久はHP4しか振っていないが、それでもテラス加味して一発は耐えてくれる。
化身ランドロスにかなり弱くなったが、ハバタクカミのこごえるかぜで素早さ操作すれば先手をとれ、こごえるかぜとりゅうのはどうで倒すことができる。相手がテラスタルをきってきたらじんらいが通り、なんやかんやで対抗策はある。
ゴリランダー
使用率5位のゴリランダーは、とつげきチョッキにほのおテラスというありふれた型となっている。
グラスフィールドを展開することで、オーガポンのグラススライダーを先制攻撃にしたり、相手のサイコフィールドを上書きできる。あとは単純にねこだましが重要な役割を担ってくる。
連撃ウーラオス
使用率6位の連撃ウーラオスは、こだわりスカーフを持たせたみずテラスというありふれた型となっている。オーガポンが竈門の面となり、水枠は連撃ウーラオスとなった。
パオジアン
使用率9位のパオジアンは、きあいのタスキを持たせたゴーストテラスというありふれた型となっている。
強いて言えば、努力値振りはスケショカイリューを意識したものとなっている。
この枠は使用率3位のガオガエンと悩んだが、カイリューに強くしたいということでパオジアンとなった。
まとめ
一応言っておくが、この構築だけで600戦以上やったわけではない。いろんな構築を試した結果、2桁いったのがこれだった。対戦回数としては、3000位からスタートして45戦ほどだった。
シーズン16はSVダブル過去最高難易度ということで、これまで以上に気を引き締めていかないと一生勝てないだろう。
3月29日から4月1日の4日間、PJCS2024本選出場がかかった最後の予選大会が開催される。
シーズン16中に開催されるということで、今期の鬼畜難易度が大会にも反映されるとしたら、過去2大会以上に上位150位に残るのが難しいかもしれない。出場を考えている人はこの記事を参考にするなどして相応の準備に臨むことをおすすめしたい。