前回、
と題した記事で、ポケモンSVランクマ・シーズン8のダブルバトルにおいて、筆者が実際に使っている構築を紹介した。
記事では、実際に使った6体のみ紹介したが、この6体はいろんなポケモンを試した結果、一番ベストな精鋭たちとなっている。
特に、過去作ポケモンは念入りに選んだが、最終的にはヒードランのみとなった。
この記事では、実際に使った過去作ポケモンの使用感について紹介したい。
レギュレーションD、過去ポケの使用感について
1.れんげきウーラオス
・現在、使用率2位
・特性「ふかしのこぶし」により、相手のまもるやみきりを受けずに攻撃できる
→SVではダイマックスが廃止され、ダイマックス技による貫通攻撃がなくなったことで、この特性は結構貴重だったりする
・すいりゅうれんだは3回連続で攻撃するため、きあいのタスキを持ったハバタクカミやパオジアンも1ターンで倒すことができる
・れんげきウーラオスの流行により、すいりゅうれんだの対策としてゴツゴツメット持ちが増加
→特にモロバレルは、かくとう技もみず技も半減でき、れんげきウーラオスを安定して受けられる
・最初はしんぴのしずくを持たせた型が大半だったが、中盤からこだわりスカーフを持たせた型が増加
→それをメタってか、ハバタクカミはブーストエナジーで素早さを上げる調整が増加した結果、結局抜かれるハメに
・ここにきて、すいりゅうれんだをよびみずで吸収するトリトドンが使用率30位に
・強ポケではあるが、対策は簡単なのでめっちゃ強くはない
2.化身トルネロス
・現在、使用率3位
・特性「いたずらごころ」により、おいかぜを優先度+1で打つことができるが、SVで唯一、同じことができるヤミカラスよりも火力が高く、アタッカーもこなせる
・レジェンズアルセウスの新規取得技「こがらしあらし」をSVでも覚える
→ひこうタイプの特殊威力100と強力なうえ、ダブルバトルでは相手全体が対象となり、1体あたりの威力は75に落ちるものの、30%で相手の素早さを1段階下げるという強力な追加効果がある
・しかし、こがらしあらしの命中率は80%しかなく、これがとにかく当たらない
→ヤミカラスやDLCで内定したエルフーンとは火力があるという点で差別化されているのに、肝心の技が当たらないという致命的な欠陥がある
・天候が雨の時は必中となり、使うとしたらペリッパーイダイトウ構築に入れるべき
→一応、自分で雨を降らすことはできるが、その場合は二手必要となる
3.ヒードラン
・現在、使用率6位
・SVの新規取得技にめぼしいものはないが、長年の課題だったじめん4倍を消せるテラスタルと非常に相性がいい
・4倍弱点が消えたことで、持ち前の耐久力を生かしやすくなった
・現在、テラスタイプはくさが主流で、ほのお技が弱点となるが、特性「もらいび」でほのお技を無効化できることから非常に相性がいい
4.クレセリア
・現在、使用率8位
・高耐久ゆえにワンパンされることはほとんどなく、豊富なサポート技で確実に仕事するクレセリアだったが、防御と特防の種族値が10ずつ下がったことで、前より倒されやすくなった
・それでもワンパンはないと思いたいが、H全振り程度ではひかえめイーユイのいのちのたま あくのはどうで確定1発となる
→フェアリーテラスなどであく弱点を消せるが、おくびょうイーユイのいのちのたま ほのおテラスオーバーヒートでも超高乱数1発を取られてしまう
・レジェンズアルセウスの新規取得技「みかづきのいのり」をSVでも覚えるが、自分と味方のHPが4分の1ずつ回復し、状態異常も回復する効果にナーフされた
→実際のところ、4分の1回復程度では物足りず、状態異常を回復する効果は眠りくらいしかない今の環境において、あまり意味をなさない(しかも自分が眠ったら治せないという ※キノコのほうしはぼうじんゴーグルで対策可能)
・サイドチェンジを覚える数少ないポケモンだが、SVからは連続で使うと失敗しやすくなり、こちらもナーフをくらった
・ほかにも、使用率1位のハバタクカミとゴースト弱点とフェアリーテラスがかぶりがちなど、同時採用が難しくなっている
・これは筆者の経験談だが、クレセリア入りの構築であと1回負けたら5桁落ちまで追い詰められた
→したがって、クレセリアは過去作ポケモンの中で弱い部類に入ると思う(参考までに、筆者は普段2桁と3桁前半を行き来している)
5.ガチグマ
・現在、使用率9位
・攻撃種族値140に加え、特性「こんじょう」により攻撃1.5倍、さらに状態異常の時、威力が2倍の140となるからげんきは等倍以上なら、ほとんどのポケモンをワンパンできる圧倒的火力を持つ
・反面、素早さ種族値は50しかなく、トリックルームのお膳立てがないとまともに上を取れない
・巷では、ようき最速からおいかぜで上を取ってくる型もあるそうだが、こちらもおいかぜのお膳立てが必要
・トリルやおいかぜのお膳立てがあったとしても、要はまもるやみきり、ねこだましなどでターンを稼ぎ切ってしまえばいいわけで、比較的対処は簡単
・これらのターン稼ぎにより、かえんだまによる火傷ダメージも蓄積し、攻撃圏内に入れられて、あっさり逝くことも珍しくない
→じしん以外はほぼ接触技でゴツメにも弱い
6.ゴリランダー
・現在、使用率10位
・剣盾時代のWCS2022マスターカテゴリ優勝構築にも入っていたが、SVでメインウエポンのグラススライダーや、サブウエポンとしてよく使われた10まんばりきを失って大幅にナーフされた
・グラスメイカーにより展開されるグラスフィールドは5ターンの間、地面にいるすべてのポケモンは毎ターン最大HPの16分の1ずつ回復し、この効果は自分のみならず相手にも及ぶ
→剣盾では、ダイマックス技がまもるやみきりを貫通したため、ターン稼がれて攻撃圏内から外れるケースは少なかったが、SVではダイマックス技がなくなり、まもるやみきりでHP回復を許しやすくなり、攻撃圏内から外れることが増えた
・グラスフィールドはサイコフィールドの書き換えとしても重宝したが、SVで登場したアイススピナーでフィールドが破壊でき、グラスフィールドが壊されれば、くさ技の威力が落ちてしまうのも向かい風
7.霊獣ランドロス
・現在、使用率12位
・特性「いかく」を入れてとんぼがえりし、攻撃種族値も145あることからアタッカーとしても強かったが、現環境ではウーラオス、せいしんりょくカイリュー、クリアチャームなど、いかくが効かない相手が急増
・パオジアンやテツノツツミ、雪パの強化により、こおりタイプが増えたことも向かい風
・ひこうテラスによるテラバーストで、剣盾のダイジェットみたいなことができるが、ダイジェットと比べて威力が35落ち、素早さ1段階アップの恩恵もなくなり、単なる劣化に成り下がった
・一方、同じくこおり4倍で600族のカイリューはノーマルテラスからのしんそくが非常に強力で、ダイマックス環境とは差別化した運用がなされ、完全に立場を奪われたと言える
→過去作ポケモン最強のヒードランをじだんだ、くさテラスはつばめがえしとテラスタルなしで見れるのも(霊獣ランドロスも、とんぼがえりで弱点つけなくてもないが、不一致なためワンパン不可避)
8.いちげきウーラオス
・現在、使用率14位
・剣盾では、あんこくきょうだの火力がすいりゅうれんだより高かったことから、いちげきウーラオスのほうが使われていたが、SVであんこくきょうだの威力がナーフされ、すいりゅうれんだと同じ火力になったことで、使用率が逆転した
・れんげきウーラオスのすいりゅうれんだはゴツメで対策余裕だが、いちげきウーラオスのあんこくきょうだはゴツメ1回分のダメージしか受けず、あくテラスであく技の火力を上げたり、どくテラスでフェアリー4倍弱点を消したり、運用法はさまざまで、過去作ポケモンの中では強い部類に入ると思われる
→現に、一部の上位勢はいちげきウーラオスを使いはじめている
・ただ、かくとう枠はテツノカイナが優秀すぎるのと、あく枠は四災(特に性能が近いパオジアン)が強く、個人的にはいちげきウーラオスは構築に入れづらい印象がある
・あんこくきょうだがナーフされなければ、もっと使われていただろう
16位から30位までの過去作ポケモンはまだ使っていないが、使っている相手と対面しても、特別気になったポケモンはいなかった。イダイトウは雨パ、ヒスイドレディアは晴れパで使えば強く、あとはレジドラゴにワンチャンありそうなくらいだ。
過去作ポケモンでキャラランクを作るとしたら、Sランクはヒードランだけで、Aランクにウーラオス(両方)とガチグマ。Bランクにトルネロス、ゴリランダー、ランドロス。Cランクにクレセリアといった感じだ。