ポケモンSVのランクマ・シーズン8のダブルバトルで使用率現在12位の霊獣ランドロス。過去作に比べるとかなり使用率が少ないが、現在進行形で減り続けている。
霊獣ランドロス、SVでついにオワコンへ…
タイプ:じめん・ひこう
種族値:HP89-攻撃145-防御90-特攻105-特防80-素早さ91(合計600)
特性:いかく(戦闘に出たときに相手の攻撃ランクを1段階下げる)
霊獣ランドロスは、2012年6月発売のBW2に登場した「うつしかかがみ」を、2010年9月に発売されたBWに登場した化身ランドロスに使うことでフォルムチェンジできたのがルーツだ。
合計種族値600、特性「いかく」はダブルバトルでは相手全体に及ぶことから、初登場から使用率トップファイブ圏内に入っていた。
続く6世代ではクレセリア(Cresselia)、ヒードラン(Heatran)、モロバレル(Amoonguss)、ランドロス(Landorus)、ガルーラ(Kangaskhan)の英名イニシャルを取った構築「CHALK」が爆誕。
WCS2015世界大会では、CHALK寄りの構築が相次いで上位入賞。優勝者はCHALKに化身ボルトロスを入れた構築で、現在はYouTuberとして活躍しているビエラだった。
6世代において、CHALKは結論パの一つとしてなっていた。
そんな霊獣ランドロスだが、7世代で強力なライバルが登場した。ガオガエンだ。ガオガエンはUSUMで夢特性の「いかく」を習得。いかくのほか、当時のダブルではいかくに次ぐ必須級だった「ねこだまし」も覚えたことから、霊獣ランドロスを抑えて使用率1位に君臨した。
続く8世代では、ガオガエンはすてゼリフを習得。いかくとの相性に優れ、前作ではとんぼがえりだった枠を変える運用がメジャーとなり、禁伝環境でも使用率1位を取り続けた。
一方、8世代で登場したダイマックスは交代すると3ターン待たずして解除され、いかくサイクルを回すガオガエンと相性が悪かった。そのため、ランドロスはいかくサイクルしながら、頃合いをみてダイマックスし、ダイジェットやダイアースで大ダメージを与えながら味方全体の能力を上げていくという運用がなされた。
しかし、ダイジェット枠はいかくに対し、まけんきで火力を上げられるコピペロスの化身ボルトロスの物理型が主流となり、WCS2022の優勝者も化身ボルトロスでダイジェットする構築を使っていた。
優勝者はいかく枠にガオガエンを使っており、やはり霊獣ランドロスは使われていなかった。
そして9世代。ライバルのガオガエンはリストラ、ダイマックスも廃止され、いよいよ霊獣ランドロスの復権かと思われたが、ウーラオスの専用技やせいしんりょくカイリューのほか、持たせると相手の技や特性で能力を下げられない「クリアチャーム」の登場で、いかく対策が容易となった。
また、パオジアンやテツノツツミ、霰が雪となり、防御1.5倍となって強化された雪パ(ユキノオー+氷タイプ)など、氷タイプの強化&増加により、氷4倍の霊獣ランドロスはむしろ窮地に立たされている。
この影響もあってか、シーズン8開始時は使用率6位だったが、3週間経った現在は12位と2倍減り、絵にかいたようなオワコンっぷりとなっている。今後もどんどん落ち続けると思われる。
氷タイプの増加は同じ氷4倍のカイリューにも影響があり、シーズン8になって高耐久ポケモンが増えたことで、いじっぱりこだわりハチマキ ノーマルテラスしんそくでもワンパンできないケースが増え、ゴーストタイプやゴーストテラスも多いことから、ダブルでのカイリューもそろそろ使用率が減ってくると思われる。
化身トルネロスが大躍進
タイプ:ひこう
種族値:HP79-攻撃115-防御70-特攻125-特防80-素早さ111(合計580)
特性:
いたずらごころ(自分の使う変化技の優先度が1だけ加算される)
まけんき(相手の技や特性で能力ランクが下がった時、自分の攻撃ランクが2段階上がる)
霊獣ランドロスがオワコンになった一方、同じコピペロスの化身トルネロスが使用率3位の大躍進だ。
トルネロスは3体のコピペロスで一番弱く、BW2で霊獣フォルムが登場しても評価は変わらなかった。むしろ霊獣フォルムのほうが弱かった。
それからしばらくはコピペロス最弱の烙印を押され続けていたトルネロスだが、8世代では素早さが変化した時、そのターンから反映されるようになり、おいかぜは撃ったターンから恩恵を受けられ、4ターンフルで使えるようになった。
これを受け、特性「いたずらごころ」から先制おいかぜを打てる化身トルネロスは使用率が急増した。しかし、この時は同じくいたずらごころから先制おいかぜでき、トルネロスよりもサポート技が豊富だったエルフーンに後れを取っていた。
9世代ではライバルだったエルフーンがリストラされ、ほかにいたずらごころから先制おいかぜを打てるのはヤミカラスしかおらず、ヤミカラスは進化前ということもあって、この枠は完全に化身トルネロスが掌握することとなった。
いたずらごころ先制おいかぜの欠点は、ねこだましで妨害されることだったが、技の追加効果を無効化する「おんみつマント」やゴーストテラスの登場により、いたずらごころ先制おいかぜを阻止するのはますます困難となった。
後はいたずらごころ先制ちょうはつくらいだが、こちらもメンタルハーブで対策可能だ。あくテラスでいたずらごころを無効化するという手もある。
トルネロスは2022年1月発売のレジェンズアルセウスで新規習得した「こがらしあらし」をSVでも習得。ひこうタイプの特殊威力100と高威力でありながら、相手全体が対象。さらに、30%の確率で素早さを1段階下げるという、相手より先に動けるかが非常に重要となるダブルにおいて、非常に重宝する追加効果となっている。
命中率は80%と低いものの、雨の時は必中となる。前作でのひこう技は「ぼうふう」が主に使われていたが、こがらしあらしは晴れの時でも命中率が落ちず、基本的にはこちらが使われる。
あまごいし、こがらしあらしを必中にしたり、味方のれんげきウーラオスのすいりゅうれんだの威力を底上げるする構築が多い。今作ではにほんばれを習得し、にほんばれしてハバタクカミなど古代ポケモンの特性「こだいかっせい」を発動したり、炎技の威力を上げるといった運用法もある。
また、あまごいなら相手のにほんばれを、にほんばれなら相手のあまごいなど、相手の天候を書き換えるというメタ的な使い方もできる。
コピペロス最弱だったトルネロスが、13年経った今は最強なんて、当時は夢にも思わないだろう。