木村花の死亡を受け、誹謗中傷について著名人が一斉に声を上げている。しかし、中には誹謗中傷した相手に対して訴訟をちらつかせ「地獄を見せてやる」「逃げられると思うなよ」などと恫喝したり、「訴訟はビジネス」などと言う人も出てきた。
また、このような人たちやメディアがネットに責任転嫁したこともあり、それに影響されて誹謗中傷と思われる書き込みを行った人を誹謗中傷したり、脅すようなリプを送る「誹謗中傷警察」なるものも相次いでいる。
批判と誹謗中傷の線引きは難しい。そんな中、自分の容姿を悪く言う人にブチギレるツイートがバズっている。容姿批判は誹謗中傷にあたるのだろうか。
容姿批判は誹謗中傷なのか?
「誹謗中傷じゃありません。これは一個人としての意見です」みたいなスタンスで人の容姿の悪口言う奴多すぎだし、そういう奴に限って注意されたら「可愛いと思うか感じ方は人それぞれなので💧」とあくまで中立な感じで意味わからん多様性を主張してきてキモい。そして闇が深い。
— 戦慄かなの (@CV_Kanano) May 28, 2020
こうツイートしたのは、アイドルの戦慄かなの。自分の容姿への悪口は誹謗中傷という主張で、悪口は誹謗中傷ではなく一個人としての意見という声に対してブチギレている。
容姿の悪口と言えば、「かわいくない」「キモい」「チビ」「ブス」といった単語がある。通常だと、これらは誹謗中傷にあたりそうだが、これが容姿の評価を求められたときはどうだろうか。
例えば、SNSにおしゃれなどした自分の画像を投稿したとする。これは自分の容姿への評価を求める投稿だが、これに「かわいくない」「ブス」などと書き込むのは誹謗中傷だろうか。
こんな意見もある
そもそも芸能人への批判を誹謗中傷と捉えること自体間違いで、容姿や人格を商品として売ってる訳なんだから、それらへの批判は製品へのクレームないし「お客様からの貴重なご意見」なわけです。
客商売の癖に「お前らの意見うるせーから黙れ」って態度取るなら、芸能人なんて仕事しなきゃいいのに。— 実話BUNKAタブー編集部 (@BUNKA_taboo) May 24, 2020
ある意味、芸能人は自分が商品なので容姿の評価は意見の範疇。「イケメン」「美人」と絶賛するも良し「ブス」「キモい」と批判するのも自由ないわけだ。
容姿批判でダメなら、コンテンツ批判も誹謗中傷になる
これらマイナスの感想は、どこまで許されるのでしょうか。
さすがに「◯ね」とか「くたばれ」というのがあまり良くないのは分かります。
まして「◯してやる」などは禁句なのは常識的に判断できます。ただ、最初に挙げた「つまらない」という平凡な感想でも傷つく人はいると思います。
つづく↓
— キュアップラパパ@少し疲れたよパトラッシュ (@quappulapapa) May 24, 2020
例えば、エンタメ作品に対して「面白い」という人もいれば「面白くない」という人もいる。容姿批判で誹謗中傷なら、コンテンツに対して「面白くない」「つまらない」と書き込むのも誹謗中傷になるのではないか。
ほかにも、俳優や女優などの演技に対し「下手」、ゲームが弱い人に対し「雑魚」、出身大学に対し「Fラン」、学歴に対し「低学歴」などと書き込むのも誹謗中傷になりそうだ。ネガティブな書き込みは全て誹謗中傷になってしまう。
そうなると、ネガティブなのにポジティブな書き込みしかできなくなる。
例えば、上記を例を挙げると
1.ブスだと思っている人に「かわいい」「美人」と絶賛
2.全然面白くないアニメに「面白い」「最高」「続編作って」
3.下手な演技をする俳優や女優に「演技上手すぎ」「神がかかっている!」
4.ゲームが下手な人に「ゲーム上手すぎ!」「プロ行けるんじゃね!?」
5.Fラン出身の人に「頭いいね」「そんなすごい大学でてるの!?すごい!」
など
もしこうなったら、すごい時代になりそうだ。言いたいことは何も言えなくなる。というか、偽物の評価で満足するのだろうか。
「SNSで知らない人に悪く言われるのは嫌」
私もSNSで誹謗中傷はありました。
心ないことも
言われた事もあります。
でも芸能のお仕事だし、
見られる仕事だし、
言われることに関して私の心が弱いと思っていました。
強くならなきゃと思っていました。本当は
見えない所で顔も知らない人が
誹謗中傷することが
一番いけないことなのに。。— 夏奈子 🐯ちゃんかな🐯 (@chankana0609) May 23, 2020
このように、SNSで知らない人から悪く言われるのは嫌だという人もいる。では、なぜ全世界にコンテンツを発信しているのだろうか。多くの人の目に触れるので好意的な書き込みもあれば、批判的な書き込みもある。それが嫌なら、アカウントを非公開にして身内だけで共有すればいいのではないか。LINEなど閉鎖的なネットツールを利用するのもいいだろう。
それでもなお、全世界共有のSNSを使っているのは不思議でたまらない。好意的な声しか見たくないなら、SNSは向いていないだろう。