新型コロナウイルスが感染拡大してから4か月が経過した。日本では日に日に感染者数が増えており、東京都では1日に100人を超えることも珍しくない。
増えているのは感染者数だけではない。新型コロナを悪用した犯罪も急増している。この記事では、具体的にどのような犯罪があるのか紹介したい。
新型コロナ悪用の犯罪増加
1.「俺コロナ」などと叫んで業務妨害
・主に駅や電車、店、空港など人が集まる場所で「俺コロナ」などと叫んで業務を妨害
・基本的に発熱などの症状はなく、愉快犯かストレス解消で叫んでいるだけである
2.新型コロナを悪用した詐欺
■主な事例
1.身内を語る人物から、「コロナの関係で手元に資金が欲しい」などと説明し、金を引き出すよう指示して現金をだまし取る
2.実在する携帯キャリアから政府や市役所などの公的機関になりすまし、個人情報や口座情報を詐取
3.「80歳以上の方はコロナ対策で補助金が出ます」といった内容の電話がかかってきて、キャッシュカードと印鑑証明をだまし取られる
4.ネットショップでマスクなどを購入したが届かず、代金をだまし取られる
5.厚生労働省の「LINE新型コロナ全国調査」を模倣し、クレジットカードを聞き出そうとする
など
・電話口などのオフライン詐欺だけでなく、LINEといったオンライン詐欺も横行
・新型コロナの影響で仕事がキャンセルになったなど、生活苦で詐欺に加担するケースも
3.コロナ対策グッズを盗む
・公共施設などからマスクや消毒液といったコロナ対策グッズを窃盗
・逃走の際、相手をケガさせる強盗事案も
・逮捕された容疑者は「買いに行ってもなかった」という趣旨の供述
4.コロナによる収入減で夫婦喧嘩となり、結果的に暴行殺人事件に発展
新型コロナウイルスの影響で収入が減ったことが原因で口論になり、妻を殴ってけがをさせた疑いで、男が逮捕された。妻はその後、死亡した。
牧野和男容疑者(59)は5日、東京・江戸川区の自宅で、妻の美紀さん(57)の顔を平手打ちして床に転ばせ、けがをさせた疑いが持たれている。美紀さんは病院に運ばれたあと、死亡した。
調べに対し、牧野容疑者は「『コロナのせいで出勤回数が減り、収入が減った』などと不満をもらされ、口論になった。稼ぎが悪いとののしられた」と容疑を認めている。
5.自粛厨がブチギレてドア破壊
新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急事態宣言が出ている中、スポーツクラブが営業していることに腹をたて、入口を蹴って壊したとして男が逮捕されました。
警視庁によりますと8日夜、43歳の会社員の男が東京・港区のスポーツクラブの入口のドアを蹴って壊し、警察官に現行犯逮捕されました。
調べに対し「緊急事態宣言が出ているのに営業していて、頭に来た。店員に文句を言ってやろうと思ったのに出てこないからドアを蹴った」と話しているということです。
このスポーツクラブは、緊急事態宣言が出ている7都府県の全店舗で9日から休館することを決めていました。
6.「コロナ検査している」と言って女児の体を触るロリコン事案
新型コロナウイルスの不安につけ込む、子どもを狙った犯罪に注意です。東京では「ウイルスの検査をしている」と小学生の女の子に声をかけ、体を触るなどの事件が相次いでいることが分かり、警視庁が注意を呼びかけています。
警視庁によりますと、先月25日、東京 国分寺市の路上で小学生の女の子が遊んでいたところ、見知らぬ男に「新型コロナウイルスの検査をしている」と声をかけられ、体を触られたということです。女の子が大声を出すと男はその場から逃げたということで、警視庁が捜査しています。
警視庁によりますと、男は年齢が20歳くらいで、身長は1メートル65センチくらい、短髪でメガネをかけていて、黒のパーカーを着ていたということです。
その2日後の先月27日には、東京 台東区の公園で小学生の女の子が遊んでいたところ「コロナウイルスに効くヨーグルト味のアメをあげる」と見知らぬ男に声をかけられたということです。近くにいた母親が近づくと男はその場から逃げましたが、警視庁は何らかのトラブルに巻き込まれかねなかったとみて調べています。
警視庁は、新型コロナウイルスの不安につけ込む、子どもたちを狙った犯罪とみて捜査するとともに、不審な声かけなどに注意するよう呼びかけています。
また犯罪までいかなくても、コロナ関連のデマも毎日のように生まれては拡散している。