大阪・吹田市の交番前で男性巡査(26)が包丁で刺され拳銃を奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕・送検された飯森裕次郎容疑者(33)は2級の精神障害者で、「私のやったことではありません。私が思うのは病気ひどくなったせい」と供述したり、幻覚の悪化を理由に今月いっぱいバイトを休ませてほしいと願い出るなど、精神病を前面に出して罪を逃れようとしている節がある。
しかし、今朝放送された「スッキリ」に出演した精神科医・下寺信次氏は、飯森裕次郎容疑者にはある程度の責任能力はあると話した。
【吹田交番襲撃】精神障害者2級の飯森裕次郎に責任能力は問われる?精神科医が解説
精神障害者保健福祉手帳の階級はどうやって決める?
精神障害者保健福祉手帳は給付金等の生活の補助という面があり、本人の日常生活の能力を加味して決めるため、必ずしも2級の精神障害が重たくて判断ができないなどそういうものではない。
飯森容疑者が障害者雇用で採用されたことについて
ほとんどの場合、障害者雇用という形で向かい入れるということはなく、(飯森裕次郎容疑者は)2級を持っている方の中でもそれなりに職場でのコンタクトが取れる方だった。自分自身の精神症状に関しても、ある程度コメントできる状況だったのではないか。
「幻覚が強くなるから休ませてほしい」という発言
幻覚というのは主に幻聴とか幻視を指すが、精神疾患の場合は幻聴なので、飯森裕次郎容疑者の場合は「幻聴がひどくなったので休ませてほしい」という意味で言ったのではないか。
幻覚とは
幻覚というのは、人間の五感に関して起こる病気の症状。例えば、命を狙われているなどは被害妄想であり、精神医学的には幻覚と妄想の2つで区別する。
飯森裕次郎容疑者の責任能力について
・刑事裁判で容疑者が精神障害を持っている場合、どのくらい計画性があるのか、そして行った行動にどのくらい理解をした実効性があるのかということに関して争われる
・これまでの状況を見た限り、ある相当程度の責任能力はあるとみられる
・あまり犯行したことに関して動揺していない、そして淡々と行動しており、途中で虫よけスプレーを購入するなど、飯森裕次郎容疑者に幻覚や妄想があったとしても、自分が快適にある程度過ごせるように判断するという判断能力はあったのではないか
・責任能力に関しては総合的に判断され、裁判の中でいつ、どこで、誰が、何をしたということを問われるため、自分が不利にならないように行動しているように感じ取れる
6月18日放送「スッキリ」より