昨年12月にNGT48の山口真帆が暴行被害にあった事件で、第三者委員会の調査報告書がNGT48の公式サイトで公開した。
しかし、報告書は物凄く長いため、全文読むのは面倒という人も少なくないはず。そこで当サイトは、要点を簡単にまとめてみた。3700字ほどなので、数分で読めると思う。
NGT48第三者委員会について
委員長 | 岩崎晃(弁護士・岩崎法律事務所) |
委員 | 木内雅也(弁護士・赤坂森の木綜合法律事務所) |
高山梢 | (弁護士・真和総合法律事務所) |
この他、男女各5名の弁護士を補助者として調査を実施
調査の方法
・NGTメンバー計41名のうち、38名に対し、本件及びその背景事情等に関する認識の有無等を書面に記載する方法で調査
⇒38名全員から回答
・事件当時のメンバー42名、AKS役職員24名、メンバー及びAKS役職員以外14名の計80名に対して事情聴取も実施
被疑者らにも調査への協力を依頼
・AKSは被疑者X及びY、並びに共犯者Zに対し、2月19日付で第三者委員会による調査への協力を求める旨を記載した書面を送付
・3名のうち、ZからAKSに連絡があり、調査に協力を検討する条件として、自らの出入り禁止について、AKSが交渉に応じることを提示してきたが、AKSはこれを拒否
・3月1日付で調査への協力を求める旨を記載した岩崎委員長名義の書面をそれぞれ送付したが、いずれも連絡なし
事件の調査結果
ここからは、事件についての調査結果を紹介していく。
事件当日の流れ
昨年12月8日の夜公演の後、山口は他のメンバーとともに、NGT48劇場からマイクロバスに乗って帰宅
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バスは一つ目の降車ポイントで停車し、そこでメンバーAが降りた
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Aは降車後にZから、山口がバスに乗っていたかどうかを聞かれ、乗っていたことを回答し、さらにEがバスに乗っていたかどうかを聞かれ、乗っていないことを回答
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ZはAから聞いた内容などを被疑者らに伝えた
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被疑者らは山口が一人で帰宅することを確認した上で、帰宅した際に部屋の玄関付近で声をかけることとし、向かいの部屋で帰宅を待った
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午後8時40分ごろ、山口はマンションに到着し、部屋に入ってドアを閉めようとしたところ、被疑者らから顔面をつかむ暴行を受けた
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Yは山口に対し、メンバーに提案されてやったことなどと言い、メンバーA、B、Cの3人の名前を挙げた
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山口は同じ階に住むEの部屋に行ったが、Eは当時不在だった
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山口は被疑者らに対し、マンションの1階に下りるよう求め、同人らは下りていった
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山口はEに電話をかけたが、戻るのに30分かかると言われたため、Dに電話した
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Dは山口からの電話があった際、他のメンバーのマンションにいたが、5分でマンションに行けるとのことだったので、山口はDを待つことにした
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Dはマンションに向かう中、マネージャーに電話をかけ、山口が襲われたらしい旨を伝えた
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Dがマンションに到着し、山口はDと合流
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山口とDはいったん、Dの部屋に入り、Dは再度マネージャーに電話をかけた
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山口はマネージャーに対し、被疑者らに関与したメンバーを呼ぶように言ったところ、被疑者らが「Aが来る」と言っていることから、Aに話を聞きたいこと、マネージャーには被疑者らに気づかれないようにしてほしいことを伝えた
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これに対し、マネージャーはマンションの近くで待機する旨を伝えた
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山口はDとともに1階に下り、マンションの外にいた被疑者らと同人らに合流したZとともに、近くの公園に移動した
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午後9時41分ごろ、Dはマネージャーに対して公園の情報をLINEで伝えた
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公園でYと山口がやりとりする中、バスに移動するなどして、事件の関与者などについて、主に山口とYとの間でやりとりがなされた
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警察が到着
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翌日、被疑者らは新潟警察署に暴行の疑いで逮捕された
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被疑者らは新潟地方検察庁に送致され、同29日に不起訴処分となった
◆補足
・Yは事件当時、山口の部屋の向かいの部屋を借りていた
・山口は当初から一貫して被疑者らに顔面をつかまれたと述べていること、この事実について虚偽の供述をする必要性がないこと、被疑者らは山口の供述を明確に否定していないことから、第三者委員会としては、被疑者らが共謀の上、山口に対して顔面をつかむ暴行を行った事実が認められると判断した
・Aが被疑者から呼び出された事実は認められず、実際にAはマンションや公園には来ていない
事件へのメンバーの関与について
◆Aについて(山口いわく公演の帰宅時間を教えた)
・山口がバスに乗っているかどうかを回答した事実以上に、Aと被疑者らとの間で、事件について何らかの共謀があったことを示す証拠は確認できなかった
・山口がバスに乗っていることなどを回答したことは、対応として不適切だったものの、握手会などで顔見知りであったZから、バスを下りた際に、突然声をかけられたため、とっさに答えてしまったのが実情と考える
◆Bについて(山口いわく自分の家や部屋を教えた)
・Bもマンションに居住していたが、事件が起こる数か月前に退去している
・YはBが事件について何らかの事情を知っている可能性を示唆する供述をしている
・Bは関与をしている
・Bは立件・送致されておらず、警察の捜査においても、Bの関与は認められなかったものと推測される
・第三者委員会の調査において、Bが関与していることを示す証拠を確認することはできなかった
◆Cについて(山口いわく自分の家に行くよう犯人をそそめかした)
・山口はCについて、昨年10月7日に行われた握手会の際に、Yから「Cがお前の家に行けってめっちゃ言ってくるんだけど」などと言われたことや新潟警察署の警察官から、Yがマンションの他、新潟市内の3つのマンションを借りており、そのうちの1つがCが居住するマンションであることを聞いたことなどを指摘して、事件への関与を主張
・C並びに被疑者ら及びZは、Cの関与を否定している
・Cは立件・送致されておらず、事件の捜査においても、Cの関与は認められなかったものと推測される
・第三者委員会の調査において、Cが関与していることを示す証拠を確認することはできなかった
◆補足
・他のメンバーについても、被疑者らとの間で何らかの共謀があったことを示すような証拠は確認できなかった
・被疑者らが山口の部屋を知るに至った経緯は、第三者委員会の調査に対する被疑者らの協力もなかったため、明らかではない
・Yは以前からマンションの別の部屋を賃貸し、自由に出入りしていたことから、メンバーの関与がなくても、被疑者らはさまざまな方法で山口の部屋を特定することが可能であったといえる
ごく一部のファンについて
・一部のファンに、メンバーとのつながりを求めたり、”まとめだし”(握手券を一度に複数枚使うこと)により得られた会話の機会を利用して、総選挙での大量投票を約束する者もみられた
・送迎のバスを突き止めて後をつけるなどして、メンバーの住居を把握しようとする者もおり、実際に多くのメンバーの居住するマンション名がファンの一部に知られていた
・握手会の際にメンバーに対して「〇〇に住んでいるでしょ」などと言ってメンバーの反応を探ったり、メンバーが自宅でSHOWROOMを配信している際に近くで大きな奇声をあげて、自宅の特定を試みる者もいた
・Yに関しては、マンションに複数のメンバーが居住していることを突き止めた上で、以前からマンションを借りていた
・迷惑行為をするファンについては、NGT48劇場の禁止事項により、出禁処分が下されるが、今回の事件以前に出禁措置がとられた事例は、第三者委員会が検討した資料においては確認できなかった
メンバーとのつながりについて
・Zと複数回個別に会っていたメンバーがいる
・Yが山口の部屋の番号を知った経緯について、相当前に複数のメンバーに聞いたと述べている
・Yが事件が発生することを知っていたかもしれないとして、特定のメンバーの名前を挙げている
・Yが以前より、マンション内で他のメンバーと会うなどしていたから、その延長線上で、マンション内で山口に声をかけたと述べている
・Yが山口と話すため、山口の家に行くことについて相談していたメンバーがいるような発言をしている
・事件後、数名のメンバーがファンとのつながりがあったとして、自ら申告している
・メンバーからの事情聴取の結果、確たる証拠はないものの、36名のメンバーから”12名のメンバー”とファンとのつながりに関する供述があった
・メンバーとごく一部のファンの私的領域でのつながりについては、今村悦朗前支配人あるいはマネージャーが一定の範囲で認知していたと思われる
⇒1件だけ調査は行ったようであるが、正式な処分は下されておらず、それ以外の事案についても、積極的に調査や対応を行っていた形跡は認められず
・NGT48運営側がつながりについて積極的に調査や対応を行わなかったのは、つながりに対する具体的な処分規定が存在していないことが挙げられる
出展:NGT48第三者委員会調査報告書(全文はこちら)